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 『ソードアート・オンライン』(著:川原礫)っぽい夢を見ました。
 『ソードアート』の小説を読んだことは無いし、アニメ版を見たことも無いのですが、アニメ版のMADを見たことはあります。MADの内容が面白く思えなくて、途中で見るのを止めましたけど。
 それなのに『ソードアート』っぽい夢を見たのは、じつはMADが面白くなかった訳では無いかも知れません。『ソードアート』のMADに、私の無意識さんが反応していたからなのでしょう。
 私も昔はネットゲームを楽しんでいました。けれども、今は面白く思えません。それは、たんにネットゲームが面白くないからなのでは無いのかも。自身では認識したくない記憶というか、嫌な思い出があるのでしょうか。いや、そう考えてみると、たしかに有るんですけど。
 ゲームを楽しんでいた子供が親に怒られ、大人になってゲームを楽しもうとすると親に怒られた記憶を思い出して楽しめなくなったり、他人や自分の子供が楽しんでいるのを見て嫉妬して、楽しんでいる人に対してイライラしたり怒ったり批判したりするのと似たような物ですね。
 ネットゲームを楽しみたいけれども楽しめない。そんな私もキリト君に嫉妬しているのかも知れません。
2012年12月4日火曜の夢日記(ソードアート・オンライン)
 父親の実家(実在)で、お祭りの後に宴会が行われていました。畳の上に横長い机が置かれ、机の上に置かれた料理を数十人が座布団に座って食べています。その場で久しぶりに従兄弟と会った私は、仮想空間で行われるネットゲームに誘われました。
 従兄弟は仮想空間に接続するための機器を持ち出すと、宴会の行われている隣の部屋に移動して機器を組み立て始めます。私は部屋の隅で黙って、組み上がるまで待っていました。そうして出来上がった機器は、棺桶のような白い箱の周りに3台の脚付きカメラが置かれているという珍妙な物です。何となく想像は付きましたが、棺桶のような白い箱の中に入ってプレイする物なのだそうです。正直に言うと、入りたくありません。
 しかし従兄弟に促された私は、隣の部屋で騒いでいる誰かが止めてくれることを期待しつつ棺桶へ入りました。誰も止めてくれませんでしたけど。
 私は棺桶の中で体を横に倒します。すると棺桶の長さが足りず、脚を曲げて入ることになりました。とても狭いです。この状態で仮想空間に接続するなんて信じられません。マゾではない私には5分も保てない姿勢でした。
 そして、いざログインという無茶振りが従兄弟によって言い渡される前に、宴会が終わりになりました。助かったという感じの私に対して、従兄弟は残念そうに機器を片付け、その機器をプレゼントだと言って私に渡します。もちろん丁寧に拒否したものの、何を勘違いしたのか従兄弟は、後で機器を送ると言いやがりました。そういう意味ではないのです。しかし、まさか「お断りします」とは言い出せず、従兄弟からのプレゼントを有りがたく受け取ることになりました。

 宴会で久しぶりに会った従兄弟から棺桶を送られた後、その従兄弟に急かされて私は仮想空間へログインすることになりました。ゲーム内で何んや彼んやあって、その翌日のことです。急に従兄弟と連絡が取れなくなり、私は不安になりました。もしや『.hack』のように意識不明の状態になったり、スケェェェイスと叫んで憑神を召喚する事態になってしまったりしたのではないのかと思ったのです。
 連絡が取れないのならば会いに行こうと思い、私は従兄弟を探しに出かけました。見知らぬ商店街の道を走り、従兄弟の姿を探します。どうやら始めて訪れた場所のようです。すると、わりと簡単に従兄弟は見つかりました。「なぜ連絡を返さなかったのか」と私が聞いてみると、「ゲームのデータが消えたから落ち込んでいた」と従兄弟は答えました。その返事を聞いた後、従兄弟にマンガのような飛び蹴りを食らわせた気がするのですが、記憶が曖昧で明確には覚えていません。
 現実で目覚めた後に、従兄弟と連絡が取れなくなっただけで意識不明を疑ったり、従兄弟の家へ行かずに探し回ったりと、珍妙な行動を取ってしまったものだと思いました。

 ゲーム内のクエストを受けて私は出かけました。クエストとは言っても、数百人のプレイヤーが参加する大規模なイベントのようです。その途中で持っていた刀に異変が起き、刀身部分の映像が乱れ、灰色のノイズが混じりました。すぐに元に戻ったので、ちょっとした処理落ちかなと私は思い、気にすることなくイベント会場へ向かいました。フラグですね。
 やがて世界樹っぽい大きな木が見えてきました。しかし、その木は葉が枯れ散って、幹から伸びた太い枝には大きな黒い虫が乗っています。世界樹は非常に大きいので、黒い虫も近付いて見れば、私の100倍以上はあるのでしょう。
 さらに近付くと、世界樹の周りにメタリックな黒い卵が無数に並んでいる様が見えました。どのくらい有るのかというと、世界樹が根を張る山の肌に隙間なく並ぶほどの数です。いわゆる直方体であり、トランプを入れるカードケースのような形でした。それらの面の中央には、黄色い円のような模様があります。さきほど世界樹の枝に留まっていた大きな黒い虫の卵である事が察せられました。
 さらに世界樹の側には、世界樹と同じくらい大きい悪魔っぽいものが立っています。あんな物に勝てるのかと思いながらも私は、これから始まる戦いにワクワクしていました。
 そうして悪魔を眺めつつ、何一つ警戒しないまま歩いていた私ですが、そんな私に向かって巨大な悪魔は口から火を吐きます。まさか攻撃されるとは思っていなかった私は、前に向かって慌てて飛び、巨大な悪魔の口から放たれた、これまた巨大な炎弾を回避しました。
 後ろを見ると、さきほどまで私が歩いていた道は炎弾によって丸く抉られ、幅が半分ほどになっています。その道の向こうでは、炎弾の的になった私を心配した仲間達が、私に声を掛けてくれていました。
 その時、正面に目を戻した私は、さらに心臓に悪い物を見つけます。逆さになって宙に浮いている不気味な女性です。黒い髪が上に向かって垂れて、ユラユラと揺れていました。とてもプレイヤーには見えないので、モンスターなのでしょう。さきほどの虫といい卵といい、このゲームは存外にホラーな面があるようです。逆さに浮いている女性の様子を私が探っていると、それは遠退いて行きました。なにかのフラグでしょうか。

 巨大な悪魔を倒すために必要な作戦の一つらしく、私と仲間達は山に開いたトンネルに入りました。トンネルを進んで行くと水路になり、さらに水路を進むと梯子を発見します。次に梯子を上って進むのは見ての通りです。
 そうして梯子を上る私と仲間達ですが、ゲームらしく梯子は無駄に長くなっていました。登っても登っても出口に着きません。ひたすら梯子を上っていた私は、梯子の高さに恐怖を覚えました。テレビゲームと違って、仮想空間に存在する高さに恐怖したのです。私は仮想空間に「居る」のだと実感しました。
 やがて梯子を登り終わると、コンクリート製の壁で囲まれた四角い広間に出ました。だんだんファンタジーな世界観にサイエンス・フィクションが混じって来ている気がします。
 広間には敵が居たものの、時が止まったように動きを止めて、まったく私達に反応しません。それにも構わず私達は武器を取り出して戦闘準備を始めます。準備が整って仲間の一人が敵に触れると、止まっていた敵は動き始めました。
 私の相手は下半身が蛇で上半身が男性のナーガです。言い忘れていましたが、刀を持っている私は後衛の魔法使いではなく前衛の戦士です。『ソードアート』のキリト君的な立ち位置ですね。
 動き始めたナーガに対して、私は「九連撃」と口走って技を放ちました。何やら視界に技名が表示されていたような気がします。九連撃は斬りや突きを組み合わせた連撃のようです。しかし残念なことに九連撃はスキルでは無く自力で動作を行っていたため、私は不器用に「斬り!斬り!突き!」と刀を突き出していました。すごくシュールです。
 現実で目覚めた後、なぜ五でも十でもなく九連撃なのかと不思議に思っていましたが、きっと『るろうに剣心』の九頭龍閃から来ていたのでしょう。


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