3月22日 オンエア
マヤ 人類滅亡の謎
 
photo  2012年12月、人類が滅亡するという説がある。 3年前に公開された映画「2012」。 迫り来る巨大地震など、天変地異による人類滅亡を描いている。 実はこの映画はある古代部族が実際に西暦2012年に来ると予言した、地球の終末を元に作られたもの。 その予言をしたのが、古代マヤ族なのだ。
 しかもそれは根拠の無い予言ではなかった。 彼らは現代科学に匹敵するほどの天文学を駆使し、生み出したマヤカレンダーによって、未来を見通していたと言われる。
 
 その文明は中央アメリカ南部、メキシコやグアテマラ一帯に栄えたとされる。 大小70近い都市で形成され、それぞれが国家として独立していたという。 19世紀中頃、この地を訪れたスペイン人がジャングルの中に埋もれたピラミッドなどの巨大遺跡を発見し、存在が明らかになった。 そして今なおジャングルのなかに、多数の遺跡が、未発見のまま眠っているといわれている。 その後の研究・調査で紀元前1000年から850年頃までおよそ2千年ちかく栄えたと言われる。
 現在残っている遺跡から推測するに、一説には最盛期、数百万人が生活していたと言われる。 ピラミッドなどの遺跡から、高度な建築技術があったことが見てとれる。
photo  中でも異彩を放つのが、このドーム型の建造物。 この建物は、星を観測する天文台だという。 それにしても望遠鏡もない時代、どうやって星を観測していたのか?
 貴重な資料が、メキシコの国立博物館に残されている。 詳細に絵文書で書かれた「ドレスデン・コデックス」。 それによるとマヤ人は、太陽と月、太陽と金星などの動きを観察することで、日食、月食がいつくるか、完璧に把握していたという。 太陽と月の動きを詳細に調べていた証である。
 
photo  現代の天文学と比べても遜色ない、その驚異の知識と技術を示しているのはそれだけではない。 ユカタン半島のほぼ中心、チチェン・イツァーにあるピラミッド。一見ただのピラミッドに見えるが、そうではない。
 ピラミッドは4つの面から出来ていて、各面にはそれぞれ91段の階段がつけられている。 合計すると364段、そして神殿へと登る最後の1段を足すと365の階段があることになる。 マヤ人は地球が太陽の周りを一周する公転期間が365日と少しである事を知っていた。 365日を一つの単位とする暦を持っていたのである! 我々の暦は4年に1回、閏年の一日を足して調整するが、彼らは52年ごとにまとめて13日足し修正を行っていた。 それだけ正確、かつ完璧に、地球の公転を知っていたのだ!! それもコペルニクスが地動説を唱える1000年以上も前に!
 
photo  さらに古代マヤ人たちは、このピラミッドに天文学を駆使した、驚愕の仕掛けを残している。 階段の両側に、祀られている、この二匹の蛇。 『羽毛を持つヘビ』ククルカンと呼ばれ、古代マヤでは神聖な神とされていた。 ここでは年に2回、巨大な蛇が天空から姿を現すとい。 太陽が傾くにつれ階段に映し出される、光と影の変化。 1時間後、太陽の傾きによって変化する影によって、まるでヘビが天から下りて来たような光景が浮かび上がる。
 実はピラミッド自体が太陽を正面から受けないよう、東西南北の線から17度だけ、ずらして建てられている。 これによりピラミッドの段差が影となり、巨大な蛇が現れるのだ!!
 重要なのは蛇が姿を現す時期だ。 年に2度のその時期とは、春分と秋分の日なのだ! ちょうどその日、蛇が天から舞い降りて、その後、水を求めて神殿から飛び立つという伝説を作るため、計算されて建てられたのだ! ピラミッドでの光と影の天体ショーは神話を元にした、豊作を願う儀式だったのである!
 
photo  彼らの春分、秋分の日へのこだわりは、別の遺跡でも見る事が出来る。 ククルカンの神殿から500km離れた、パレンケにある2つの神殿では全く異なった方法で太陽を使い、春分や秋分を知る事が出来るという。
 朝、神殿から日が昇り始めると、向かいに建てられている太陽の神殿に陽が当たり、その内部に光が差し込み始める。 それが神殿内部の特定の角に当たると、太陽光が光り輝く帯の様に現れる! そして年に2度、春分と秋分の日だけ、神殿の一番奥の壁にまで光が届くのだ!! まさに、計算された光のマジック!
 このように太陽の動きや春分、秋分の日を正確に知っていたマヤ人。 彼らはなぜそこまで緻密な天文学を必要としたのか? 農耕民族だったマヤの人たちにとって、雨期や乾期の訪れを知る事は非常に大切な事だった。 彼らは生きるために太陽の動きを知る必要があったのだ。
 春分の日が過ぎた頃、彼らは畑に種をまく。 そして雨期を経て夏の日差しをたっぷりと浴びた作物は、秋分の日を迎える頃、たわわに実を結び収穫される。 春分と秋分を知る事は豊かな実りを得る為の多いなる知恵だった。
 
photo  そしてもう一つ、天文学を究める事は国を収める王にとって重要な意味を持っていたという。 熱帯雨林にある遺跡・パレンケに鎮座する、ひときわ大きいピラミッド。 その地下から、かつてこの地を収めていた「王」の遺体と、副葬品が発掘された。 全身を翡翠で覆われた姿で発見されたのは、『キニチ・ハナーブ・パカル一世』。 太陽の生まれ変わりとの異名を取る、天文学に秀でた天才だと言われている。
 階層社会であったマヤでは天文知識は、民を服従させる大きな役割を担っていた。 皆既日食などを事前に知り、予言する事で、民に「宇宙を支配する王」と思わせる事が出来たのだ。 そう、マヤの王は代々、太陽を政治にも利用していたのである!
 民衆から王に至るまで、彼らの生活は太陽を中心に回っていた。 生活にも政治にも、太陽の運行の知識は不可欠だったのだ! そしてそれを元に作られたのが、いわゆるマヤカレンダーと呼ばれるもの。 2012年 12月21日、人類が滅亡すると予言しているとも言われる、あのマヤカレンダーである!!
 
photo  そもそもマヤカレンダーとは?一体なんなのか? 彼らは、365日を一年とする暦のほかに、260日を一年とする暦を用いていた。 この2つの暦が一致する最小公倍数が52年。 そう、彼らは何と、その52年周期の暦まで持っていた。
 それだけではない! 彼らはさらに長い5000年以上の周期を、1つの時代と考えた暦をも持っていたのだ! 実はこれには特別な意味があるという。 その年数は、日数として計算すると187万2000日にあたる。
 これはマヤ族にとって重要な単位である。 14万4000に、彼らが聖なる数字と考えていた、13をかけたモノなのだ。 実はマヤ暦ではその日が来ると、一つの時代が終わる事を意味していた。
 
photo  187万2000日が1つの時代を現し、その終わりこそ、時代の終わりを意味するという。 実はこれが、マヤ族の人類滅亡の予言の正体だったのである。 だとすれば、一つの時代の始まりの日が分かれば、終わりの日が分かる。
 それが記された場所がある。 かつて、マヤを収めたパカル王にまつわる神殿。 発見されるまでは、頑丈な壁で封印されていたスペースに、今回我々は特別に立ち入りを許された。 壁のレリーフに、時代の始まりが書かれていた。 それを西暦に直すと、紀元前3114年8月13日にあたる。
 紀元前3114年8月13日から187万2000日、計算するとXデイは・・・2012年12月21日! これが、2012年12月21日に、人類が滅亡するというマヤカレンダーの予言の根拠である! 今日から数えて、273日後。人類に一体何が起きるのか? 現代科学と遜色の無い、高度な天文学を編み出した古代マヤ文明の予言。 果たして人類は、本当に滅亡するのか?
 
photo  マヤ人はその文明を捨てて千年以上前に滅亡したと言われている。 高度な天文学を会得しながら、なぜ自分たちの滅亡を、未然に予知し防げなかったのか? 実は、マヤ文明の終焉と、2012年の人類終末予言には戦慄の共通点があるという。
 古代マヤ文明は、なぜ滅びたのか? そのナゾを解くために、私たちはマヤ文明研究の第一人者、ユカタン州立大学のギジェルモ・デ・アンダ教授に会った。 教授の導きで向かったのは、メキシコ東部、ユカタン半島のメリダ。 教授は我々を乗せた車を、さらに町の郊外へと走らせたが、やがて草深い道へ。 そして辿り着いたのは、鬱蒼とした荒れ地だったが、アンダ教授の指さしたそこには、地下水で満たされた澄んだ泉があった。
 『セノーテ』と呼ばれる天然の井戸で、泉は、地中深く洞窟のように広がっているという。 そのほとりで教授は驚くべき事を我々に述べた。 なんと!石の階段が、水中に向かって降りている! これを作ったのがマヤ人だというのだ!
 
photo  そして、地中深く広がる水の中にマヤ文明が滅んだ理由が隠されているというのだ。 酸素ボンベを準備する教授。我々を水中に案内するという。
 マヤ文明の秘密が隠されている水中に、テレビカメラが潜入するのは世界初。 泉の奥は、地上の様子からは想像も出来ないほどに深く広がっていた。
 水深35メートル。 その時、アンダ教授が何かを発見した! 顔が刻まれた石像が、横たわっている! マヤ文明の神官の彫刻だった。 この顔の彫刻は、石造りの神殿の痕跡だという。 そして神殿の柱の飾りが・・・さらに、蛇の頭の彫刻もあった。
 マヤ文明にとって蛇は神として崇められる存在、地上の遺跡にも蛇の姿が彫刻として残されていた。 それだけではない、この積み上げられた石は神殿を形作る壁だという。 人の手で積み重ねられたというのだ! 地上の神殿と同じ様に、古代のマヤ文字が彫刻されていると思われる石もみつかった。 まだ研究段階で詳細は不明だが、これは暦だという。
 これらは明らかに、神殿の痕跡だった。 古代マヤ人は、水の中に神殿を造ったというのか?
 
photo  昔はこの洞窟に、水は満ちていなかった。 マヤ文明の初期の頃、洞窟に建てた神殿が地下水の上昇によって、今のように泉の水底に沈んだ状態になっているのだ。 では、なぜ古代マヤ人は、洞窟に神殿を建てたのだろうか?
 他の大きな文明と異なりマヤ文明が栄えたユカタン半島には、川がないため、真水は地下水を求めるしかなかった。 そこで、湿りやすく、奥の方では地下水が湧いてくる洞窟で生活。 彼らにとって、水は貴重な資源であり、重要であるために、神を祀る大切な神殿も洞窟に作った。 そこが、メソポタミアやエジプトなど、大河の恵みをうけ、川に発達した四大文明とは大きく違うのである。
 川がない不便さはあるが、熱帯の中では洞窟の中の暑さはそれほどでもなく、過ごしやすいと言う利点もある。 では西暦850年頃、マヤ族に一体何があったのか?
 
 アンダ教授は、サンアントニオ村にある、別の水中遺跡に我々を導いた。 そこには、マヤ文明が滅亡した理由を解くカギがあったのである。 水深40メートルほどまで潜ったとき、それは姿を現した。 平らでなめらかな石版の上、頭蓋骨だった。 さらにすぐ近くにも、頭蓋骨はいくつも見つかった。 一瞬、墓場かとも思われたが実はそうではなかった。
 さらに発見されたのは、一見、竹のようにも見えるが・・・人骨だ。 人の足のすねの骨。 しかもその断面は、刃物でも使ったかのように切断されている。 なぜこんな骨が海底にあるのか?
photo  それだけではない。 頭の形がいびつに変形している頭蓋骨もある。 いったい何故?
 実はマヤ文明では、幼い頃から頭を板で挟み、強制的に変形させるという文化があったという。 それゆえ、頭蓋骨がこのようないびつな形をしているのだ。 実はここに、驚くべき秘密が隠されていた!!
 アンダ教授によると、これらの骨は生け贄たちのものだという。 この場所では、神に生け贄を捧げていたというのだ。 教授は、彼らの頭蓋骨の形から、生け贄となった者の身分を調べた。位の高い僧侶達だったという。 頭蓋骨を変形させるのは身分の高い者たちが多かったからだ。 実はマヤ文明では、身分の高い僧侶達は国に大きな災いが降りかかったとき、神の生け贄になる定めを背負わされていたというのだ。
 
photo  多くの高貴な僧侶たちを、なぜ生け贄にしなければならなかったのか? 古代マヤ文明を調べている科学者、モーリス・コットレルさんによると、850年頃マヤのセノーテに深刻な水不足が起こったという。 水不足の原因は、地球を襲った異常な寒冷化だったという。
 寒冷化すると、なぜ水不足になるのか? 記録的な寒さで北極の氷が増え、海水面が下るとともにセノーテの水位もさがる。 しかも、この地方の多くのセノーテは地下水で繋がっているため、西暦850年頃、それまで豊富にあった洞窟の地下水の水量が激減。 この寒冷化の到来による深刻な水不足で、農作物は不作続き。 マヤ人達はたちまち食糧難に陥ったと考えられる。
 おりしも850年頃は、マヤ文明の全盛期。 5つの都市国家が建設され、人口が急増、一説には数百万人にも膨れあがっていたという。
 
photo  人口増加と水不足による食料不足は深刻。 これ以上の水不足を防ぐため、古代のマヤ人たちは、地下の神殿で、身分の高い僧侶たちを生贄に捧げた。 神に雨を願う祈りを届けようとしたのだ。 だが、生け贄で寒冷化を押さえることなどできるはずがない。 研究者の中には、古代マヤ人たちは優れた天文学により、この寒冷化を予測していたはずだと唱える人もいる。 しかし、地球の異変を予知しながらも、なす術のなかった古代のマヤ人たち。 生け贄を捧げても水不足に勝てなかった。 水という生命の源を、地下水にしか頼れないマヤ文明は滅亡したというのである。
 コットレルさんによれば、これがマヤ文明滅亡の理由。 実は、彼らを滅亡におとしめた地球の異変は、現代にも起きようとしているという。 ある一つの現象によって、現代人もマヤ人のように滅亡してしまうのか? 奇しくも、マヤカレンダーが予言した2012年 12月21日、あと273日後!
 
photo  マヤ文明が滅亡した西暦850年と、2012年の現代、そこに一体どんな密接な関わりがあるのか? 実は、そのカギを握るものがある。 それは、太陽だった!
 今月初め、NASAは太陽に過去最大級、Xクラスの太陽フレアが発生したとして全世界に向け警告を発した。 太陽フレアとは太陽で発生している爆発現象。 その威力は、実に広島に落された原子爆弾の約666倍と言われる。 強い太陽風を発し、地球に様々な悪影響を及ぼす事で知られる。
 幸い、今年3月のケースでは、偶然太陽フレアが地球を逸れたため深刻な事態には至らなかった。 ではもし、直撃していたとしたら、地球に一体どんな甚大な被害をもたらす可能性があったのか?
 
photo  太陽フレア地球直撃、恐怖のシミュレーション。
太陽フレアが引き起こす磁気異常によって、電波障害が起こり携帯電話が通じなくなる。 そして、通信網が遮断され、飛行機は管制塔とのやり取りが不可能となり、最悪の場合、機体は墜落! さらに、 磁気異常のためにペースメーカーに異常を来たし、病院は心臓病の患者でごった返す。
 だが、被害はそれだけに留まらない。 大規模な停電が発生! 実際に1989年には、太陽フレアが引き起こした磁気異常のせいで、カナダ・ケベックにある発電所がストップ。 送電線に電気が逆流してしまったのだ!!
 こうして現代社会に欠かせない、通信網やコンピュータが遮断されると、大きな影響を受けるのが銀行のオンラインシステム。 あなたのお金が銀行から、突然消えてしまうかもしれない。 その被害総額は、ある試算によれば、アメリカ1国だけで2兆ドルにのぼるという。
 
photo  全世界を麻痺させる、太陽フレア! これが古代マヤの滅亡と、2012年に我々が直面している危機に関係しているのだろうか? だが実は、太陽に起こっている本当に恐ろしい現象とは、太陽フレアではない! 太陽ではさらに恐ろしい異変が進行しているというのだ!
 マヤ文明を研究しているコットレルさんによると、その異変が寒冷化を招き、マヤ文明が滅亡した原因もそこにあったと考えられるという。 それこそが、太陽活動の低下だというのだ。 この太陽活動の低下こそ、実は太陽フレアより、さらに恐ろしい現象なのだという。 それは一体どういう事なのか?
 実は現在、太陽活動は低下している。 先ほどの太陽フレアの問題も・・・そんな時、太陽フレアが発生すると、地球に甚大な被害を及ぼすというのだ。 なぜなら、太陽活動が活発な時は太陽自身が出す粒子で、地球との間に膜ができ、ある程度のバリアの働きを果たすが、太陽活動が低下していると、膜が出来ず、太陽フレアによる太陽風が直接地球に激突するのだ。 それゆえ今月上旬、NASAは全世界へと警告を発した。 では、太陽活動の低下とは一体、どういうことなのか? なぜ寒冷化を引き起こすのか?
 
photo  近年急増している、世界各地の異常気象! 昨年のタイの大洪水は水が中々引かず大きな被害をもたらした。 今年の冬は記録的な寒波がヨーロッパを襲い、各地で普段は凍らない川が凍りつくなど、人々の生活に大きな打撃を与えた。 さらに日本でも、この冬観測史上最大の大雪を記録。
 専門家によると、太陽活動が弱くなると、地球自体に宇宙線の照射量が増加する。 そのことが原因で雲の量が増えるという。
 宇宙線とは宇宙空間を飛び交う、放射線のこと。 そのエネルギーは莫大で、もし宇宙服を着ていなかったら、宇宙飛行士達は被爆して死んでしまうほど恐ろしい、宇宙からの放射線だ。 通常は、太陽が発する磁場が地球を守るバリアの役目を果てしている。
 だが、太陽活動の低下によって、今までほとんど跳ね返されていた宇宙線が大量にしかもダイレクトに地球に降り注ぐ。 すると、宇宙線が地球の大気にぶつかり、周りの水分を引き寄せ雲になる。 すなわち、宇宙線によって雲が作られているというのだ。 雲が増えて、太陽の光をさえぎることで、地球は熱を失なっていく。
 
photo  近年の数々の異常気象は、地球寒冷化がスタートをきった可能性を示しているのかもしれない。 だが、太陽活動低下による宇宙線の恐怖はそれだけではない! さらに恐るべき天災をも引き起こしかねないという。
 そのメカニズムは、まず太陽活動が低下し、地球に降り注ぐ宇宙線が増加。 するとその宇宙線は、地殻の割れ目にある水に当る。 すると水に泡ができる、すると地殻の割れ目の中で水が動く。 このごく小さな水の動きが、地下に溜った地震のエネルギーを噴出させる引き金になるというのだ。
 もちろん全ての地震の引き金ではない。 しかし、2008年、未曾有の被害をもたらした中国の四川大地震は、宇宙線の増加が引き金になった可能性があるという。
 さらに、宇宙線は水だけでなく、マグマにも気泡を作り、炭酸が吹き出すように火山の噴火さえ引き起こすという。 それを裏付けるように、近頃活発化する火山や噴火は確かに増えている。
 
photo  そして近年、太陽活動の低下による宇宙線の増加が、生物にも多大な影響を与える事が分かってきた。 それは・・・イルカや、クジラの座礁が今年に入ってから急増しているのだ。 もちろん太陽活動の低下による磁場の変化の影響もあるだろうが、宇宙線の照射も関係しているかも知れないという。
 さらに、太陽活動低下の影響は人体にまで及ぶという。 まず、地球に雲が増え、日光がさえぎられる。 太陽の光を浴びないと、我々にも悪影響を及ぼす。 例えば「鬱病」。
 人は浴びる光が少ないと、セロトニンという通称『元気ホルモン』が少なくなり、うつ傾向に陥るという。 たとえ健康な人でも、日照時間の短い冬は、鬱症状を訴える人が多いという。 これもセロトニンの影響が大きいとされているのだ!
 さらにもう1つ、太陽の光は女性の体にも大きな影響を及ぼすという。 太陽の光を浴びる時間が減ると、不妊症になりやすくなるというのだ!
 
photo  さらに太陽活動の低下は、日光の減少により引き起こされる現象だけで出なく、もっと直接的な影響も及ぼすという。 実は、太陽活動は、黒点の数と大きな関係があることが分かっている。 黒点とは、太陽の表面から吹き出ている強力な磁場エネルギーである! 黒点の数が多ければ活発、少なければ停滞している事を示しているというのだ。
 1880年から1930年の太陽黒点の数を記録したものと、アメリカ経済の様子を比較してみると・・・ 見事なまでに動きがシンクロしている事が分かる! この事実は、1929年の世界恐慌とタイミングが一致したことから一躍注目をあびた。
 
photo  では一体なぜこんな事が起こるのか?
-人間心理説-
太陽活動が太陽放射線の影響を通じて人間の中枢神経系に影響し、『楽観論』『悲観論』を心理的に盛り上がらせている。
 そして最近の太陽黒点数のグラフを見てみると、2008年から9年にかけて極端に少ない事が分かる。 これだけ少ないのは、実は100年ぶりだという。 このとき世界で起きていたのが・・・「リーマンショック」!! まさに100年に1度といわれる金融危機が、世界中を駆け巡ったタイミング。 他にも、バブル崩壊やITバブルのタイミングも太陽黒点の変化にぴったりとシンクロしているのだ!
 では今後、太陽黒点から見ると、世界経済はかなり厳しい停滞状態になる可能性も否定は出来ないという。 確かに2012年の世界情勢を見てみると、経済面ではギリシャ崩壊やEUの危機がおこり、そしてウォール街の格差デモなど世界中に不安が広がっている。
 また、日本経済も31年ぶりに貿易赤字に転落。 国の借金は過去最大の1000兆円を突破、経済大国日本が崩れ始めている。
 
photo  異常気象、天災、人間への影響。 それはくしくもマヤ文明が滅亡した時と同じ様な状況。 2012年人類滅亡、彼らの予言はこの事を言い当てているのか? そして2012年、人類は本当に滅亡するというのか?
 だが我々の元に、驚くべき情報が飛び込んできた。 滅亡から、1100年あまりが過ぎた現代、マヤ文明の末裔が今も生きているというのだ。
 実は9世紀中頃、彼らは生きるために自らが築き上げた文明を捨て、別の地を求めて旅に出たという。 水や食糧を求め、散り散りになりながらも彼らは、逞しく生き抜こうとしたのだ。 そしてその血は現代まで脈々と受け継がれているという。
 
photo  古代マヤ人が予言した人類滅亡の日、2012年12月21日。 その日、一体何が起こるのか? マヤ文明の末裔は、その答えを知っているのか?
 我々は、ソトタという名の村の出身で、ココムという王家の出で、マヤ一族の末裔と会うことができた。 彼らは日の儀式を行っていた。 先祖代代から受け継がれてきた儀式で、災いが起きないようにとの願いを込め、今でも毎月行っているという。
 2012年12月21日に何が起こるか訪ねてみたが、彼らは何も知らなかった。 古代マヤ族の中でも予言の真相を知っているのは、一部の高貴な人間だけだったという。
 
photo  しかし彼は、ある一人の人物を我々に紹介してくれた。 その人物とは、古代マヤ族の中でも最古の歴史を持つ、キチェー族の神官の血を受け継ぐ長老だという。
 撮影に指定されたのは、グアテマラ国家文化宮殿。 彼がキチェー族13代目の大長老、ドン・アレハンドロ氏。 Xデーまで273日と迫った今、予言についてどう思っているか、率直に聞いてみた。
 アレハンドロ氏は、確かに太陽の異変が起きているかもしれないが、現在地球上で起こっている様々な異変の多くは、人間が自らの手によって環境を破壊した結果ではないかという。 マヤカレンダーは、2012年21日に終わりを迎えるが、それは人類滅亡を意味してはいないという。 マヤの古くからの考え方では、「最初の太陽の時代」から数えて、現在は「五番目の太陽」の時代にあたり、今年の12月21日で終わりを迎える。 しかし、悲劇が起こる訳ではなく、新しい時代が始まるという。 大切なのは、それぞれの文化を尊重し、モラルを重んじること、自分たちらしい心を取り戻すことによって、次ぎの時代がより豊かで素晴らしいものになるのだという。
 迫り来る新しい時代を、どういうものにするか、我々人類はその問いに真摯に向き合うことを求められている。