「脱ステロイドは皮膚科の良心」です。すべての皮膚科医はステロイド外用剤の依存性にもっと眼を向け、警告し、依存に陥った患者を前にしたときには、脱ステロイドに向けて知恵を絞って手を貸すべきです。これは、ステロイド外用剤の全否定ということではありません。お酒を飲んだ人全てがアルコール依存になるわけではないし、タバコを吸う人全てが肺癌になるわけではないのと同じです。医者はお酒やタバコを売るのではなくアルコール依存や肺癌患者を救うのが仕事だってことです。
==========
さて、先回記したクロフィブラート無効でアイピーディ軟膏有効であったケース4の方のその後です。
アイピーディ軟膏試用前
2週間後(改善したところ)
4週間後
腕は下写真のようです。 アイピーディ軟膏試用前
2週間後(改善したところ)
4週間後
2週間目時点では著効を奏し、このまま一気によくなってくれるか?と思ったのですが、4週間目では、歩留まりのようです。
「よくなったら一度アイピーディ軟膏を中止して、再燃までの日数を確認してみよう」と思ったのですが、歩留まりとなり、ここで中止するのもちょっとためらわれるので、アイピーディ軟膏は続行して、エパディール軟膏(EPA軟膏→こちら)を併用開始してもらいました。年内にもう一度来てもらって、併用効果を確認します。
なお、以前にも記しましたが、この方は依存には陥っていない「古典的アトピー性皮膚炎」です。肘膝に強いという皮疹の分布から判断容易です。
この方には、「あなたは依存・リバウンド例ではないから、ステロイド外用剤で抑えるという選択肢もある」ということは、当たり前ですが、お伝えしています。
しかし、彼は彼自身の判断で、ステロイド忌避を現在は選択しています。QOLがどーたらこーたらと他人がいうのは、大きなお世話で、それは彼自身が決めることです。
普通に会社勤めして、その上で遠方毎回時間をかけて、なかなか(彼の場合は)うまくいかない私の実験的治療に付き合って下さっていますが、それは彼自身の価値判断です。私を含めほかの人がとやかく言うことではありません。
以上のような私の診療スタイルは、昔から変わっていません。脱ステロイドに関して「良心の呵責」を感じたことなど、ただの一度もこれまでにありません。
誇りとも思っていません。だって、普通に考えて当たり前のことだからです。
☆コメント欄は、承認制となっております。基本的に非公開です。申し訳ございませんが、返信はしない方針です。私自身の健康上の理由です。御諒解ください。(リンクはフリーです。ご自由にどうぞ。)
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | ||
6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 |
20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 |
27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
コメント
コメントはまだありません。
コメントを書く