テレビのニュースでもさかんにやっていた、チーズアレルギーのお子さんが学校給食のチーズチヂミなるメニューを食べて死亡してしまったというショッキングな事故。元保育園の給食のオバサンであった私としてはギョッとするような事故だ。

http://sankei.jp.msn.com/life/news/130108/trd13010812150004-n1.htm

(産経ニュースより)


亡くなった子は小学校5年生の女児でテレビの専門家の話だと、この年齢までアレルギーが残っている場合はかなり重篤な患者さんだそう。2ちゃんねるにあった同様のアレルギーをもつ人の書き込みには「チーズや牛乳で私を殺すのは簡単。」とあった。私はもしアレルギーの子がいたら手持ちの弁当以外一切食べさせないとか、遠くてもそういう人を集めた学校にいかせる方がいいと思う。だって死ぬかもしれない危険な食べ物があるところに子供置いておける?その子にとってはチーズは青酸カリみたいなもんなんでしょ。結局は学校に来ることが危険なんだと思う。


今や保育園や小学校でも、アレルギーのお子さんの為の給食を出す事が一種の流行りみたいになってるけど、これって作る方にとってはとてつもなく面倒くさくて迷惑。たとえば大豆アレルギーのガキのために味噌汁のなべに味噌(小麦が原料)を入れる前にダシ汁をすこしだけ別にして、塩(醤油も大豆が入っているからダメなので)で味をつける。小麦がダメなガキの食事はもっと大変で、パンも麺も食べられないので主食がごはんのみ。私が保育園で働いていた時、小麦と卵のアレルギーの子がいて、彼のおやつには栄養士が大変苦労していた。小麦と卵が入ってないお菓子類というのは皆無に近い。結局みんながケーキやクッキーを食べてる時に自分だけ塩むすび食べなきゃいけないので、(本人はみんなと同じモノ食べたいわけだから)彼はいつも泣いてた。この子にとっては保育園にいる事自体がものすごいストレスで、私はいっその事来ない方がいいぐらいだと思った。(唯一フライドポテトの日だけはみんなと一緒なので大喜びで食べてて、調理室一同涙。)


「〇〇アレルギーを持つ」という人はけっこう多くて、たまごや牛乳などの食品を食べたり、犬や馬などある特定の動物に接するだけで身体がかゆくなるといった症状を巷でもよく聞く。私ももしそういう人がアレルギー対象のモノを食べたりしてもせいぜい顔にブツブツがでるとかノドが腫れるとか、その程度の症状だと思っていた。でもまさかチーズ食べて死んじゃうなんて!多分、紛らわしいチーズチヂミの給食を出した調理師や栄養士も、間違ってチーズ入りのチヂミを彼女に渡してしまった先生も、クラスの同級生も、もしかしたら本人や親も食べて死ぬとまでは思ってなかったと思う。だから紛らわしいメニューをつくり、配り、食べた。アレルギーって深刻なのにその線引きがあいまいで、実は病院だって誤って透析患者に塩分の強いモノを食べさせたり、胃を手術したばっかりの患者に固形物出したりと、けっこうヒヤヒヤものの失敗はある(関係者から直接聞いた話)。でも「それ食べたら患者さんが死んじゃう!」って意識はあるので何度もチェックするし、もし出したら処分される。でも今回の場合、学校の先生や調理室や同級生(もし配ったのが先生じゃなかったら)にひとりのアレルギーの生徒のためにそこまで意識を持たせる事を強要していいものか。難しいと思う。

「アレルギーの子は学校に来るな!」は差別的で冷たい言い方だけど、その子にとって危険な食べ物をたまたま配った人が「人殺し」になっちゃうよりかはマシな判断だと思う。


(新生entamagoのブログ、「お茶石鹸小麦アレルギー訴訟」についてもマスコミはもっと大騒ぎするべき。by参宮橋ポニー)