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最新鋭機「ボーイング787」なぜトラブルが続くのか?

【政治・経済】

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2013年1月9日 掲載

米で白煙を噴いた

 日航機が米ボストン国際空港で白煙を噴いた一件でギョッとした人もいるだろう。

 7日午前10時半(日本時間8日午前0時半)ごろ、空港内に駐機していたボーイング787の電気室にある補助動力装置から煙が出た。同機は昨年12月に日航に納入されたばかり。ピカピカの新品がトラブルを起こしたわけだが、実は787の故障はこれが初めてではない。

 10年11月に米国で試験飛行中に客室内で煙が発生。11年11月には岡山空港で全日空機の車輪が下りない故障があった。さらに12年9月には同空港で全日空機がオイル漏れを起こし、エンジンが白いしぶきを上げるトラブルも起きている。

 航空関係者や航空ファンにとって787は「画期的な旅客機」という。機体の50%に炭素繊維複合材を使い、燃料効率を20%向上させた。そのため中型機ながら航続距離は1万4800キロ。東京―ニューヨーク間をノンストップで結ぶことができる。価格は100億円以上で、日本では日航が7機、全日空が17機導入している。

 いわば先端技術の粋を尽くした最新鋭機。なのに故障続出とはどういうことか。航空機に詳しい軍事ジャーナリストの神浦元彰氏が言う。
「787は11年10月に初めて実用化された新造機。航空業界では新造機が最初の1~2年に不具合をいくつも出すのは常識なのです。故障は“宿命”みたいなもの。オスプレイのパイロットもそうですが、飛ばしながら不具合を改善するというのが現実なのです」
 航空評論家の青木謙知氏によると、GPSを使ったナビ技術などの向上で航空機の事故は確実に減っているという。
「それでも80人乗り以上の旅客機の墜落事故は年間に世界で20~25件起きています。パイロットのミスが8割、残りの2割が整備不良などです。残念ながら旅客機が100%トラブルをなくすのは不可能。今回の白煙は補助動力装置を起動させるバッテリーのリチウムイオン電池の製品不良だと思われます」(青木氏)

“絶対に落ちない飛行機”は存在しないということか……。
~2013年1月9日以前の記事~

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中村静香