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【プロ野球】

大野氏と外木場氏が殿堂入り 広島から2年連続W選出

2013年1月12日 紙面から

野球殿堂入りの通知書を手に記念撮影する左から競技者表彰の大野豊氏、エキスパート表彰の外木場義郎氏、特別表彰の福嶋一雄氏=東京都文京区の野球体育博物館で(北田美和子撮影)

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 野球殿堂入りの表彰者が11日、東京ドーム内の野球体育博物館で発表され、競技者表彰のプレーヤー部門では広島で148勝138セーブを挙げた大野豊氏(57)、エキスパート部門では同じく広島で完全試合を含む3度の無安打無得点試合を達成した外木場義郎氏(67)が選出された。特別表彰には福岡・小倉中(現小倉高)のエースとして夏の甲子園連覇を果たし、グラウンドの土を最初に持ち帰ったと言われる福嶋一雄氏(82)が選ばれた。

 赤ヘル軍団の歴史を紡いだ2人のエースは、誇らしげだった。昨年はプレーヤー部門で故津田恒実氏と北別府学氏が殿堂入り。広島からは2年連続となるダブル選出だ。大野氏が「やってきたことが認められ、感謝の気持ちでいっぱい」と喜びを語り、外木場氏は「信じられない。まさか」と白い歯を見せた。

 2人とも「エリート」ではない。80年代に北別府学、川口和久と広島の投手王国を築いた大野氏は出雲商高卒業後に軟式野球に転身してから、ドラフト外で入団。「テストで入ってきて、まさかこういう日を迎えることができるとは思わなかった」。野球人として最高の栄誉に声を震わせた。

 広島では江夏豊から後継者に指名され、厳しい指導を受けて才能を開花させた。88年と89年には2年連続で防御率1点台。97年には最年長41歳で最優秀防御率のタイトルを獲得。米大リーグ・エンゼルスからのオファーを断った広島一筋の生きざまは、地元ファンの感動を呼んだ。

 球団史上最高の投手とも評される外木場氏は、「弱小球団」の悲哀を味わった。プロ野球史上で巨人・沢村栄治と2人だけしかいない3度の無安打無得点試合を達成しても、通算成績では敗戦が勝利を上回る。69年には防御率2・69ながら11勝20敗の数字だったこともあった。

 「自分の信念は絶対に曲げなかった。真っすぐとカーブの2種類、これに野球人生をかける覚悟で打ち込んだ。チームが弱いときでも、自分は日本一の投手だ、と思っていた」と外木場氏。決して恵まれたスタートではなかった両氏の歩みは、広島という球団の歴史そのものでもある。 (井上学)

 

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