エネルギー政策:脱「脱原発」加速 自民、新増設にも含み
毎日新聞 2012年12月25日 13時36分(最終更新 12月25日 14時23分)
安倍総裁は22日、上関原発建設計画を抱える地元の山口県で「(原発の)新設についてどう考えるかは、新しい政府、与党で決めたい」と発言。民主党政権が「原発の新増設は認めない」とした方針を転換する可能性を示唆した。ただ、新増設再開には「国民の理解が得られない」と慎重姿勢の公明党との調整が必要になる。
電力業界では安倍政権の脱原発見直しに期待が広がる。民主党政権下では電力小売りの完全自由化などの電力改革に「最大限協力したい」と表明していた電気事業連合会。衆院選で自民党大勝の見込みが強まった12月の選挙直前になると、電事連の八木誠会長(関西電力社長)は「原発が再稼働しないと電力完全自由化は難しい」と態度を変えた。
自民党は電気を作る発電部門と電気を送る送配電部門を分離して競争を促す「発送電分離」など電力改革について明確な方針を示していない。電事連などは安倍新政権が業界に精通した甘利明氏らを要職に起用することを歓迎、政治からの逆風が緩和されることを期待する。ただ、原発再稼働や新増設を進める一方、電力改革が停滞すれば、厳しい批判を浴びるのは必至だ。