水中のシロクマ観察 平川動物公園 3展示施設を新装開業
鹿児島市平川町の平川動物公園は25日、三つの展示施設を新装オープンした。4種類の熊がいる「世界のクマゾーン」とトラやピューマなどの「野生のイヌ・ネコゾーン」、象やクジャクなどの「インドの森ゾーン」。獣舎面積を広げて、コンクリート床を土に変えたり木を植えたりして、より自然に近い姿で観察できる。
鉄柵や深い溝ではなく強化ガラス越しにベンガルトラやホッキョクグマ(シロクマ)を見ることができるのも特徴。北海道旭川市の旭山動物園のようにシロクマがプールの水中を泳ぐ様子も観察できる。インドの森ゾーンには、動物を眺めながら楽しめる足湯や授乳室も新設した。
平川動物公園は、市が2015年度までに総事業費43億円で改装中。園内であった記念式典で、森博幸市長は「オリジナリティーにあふれ、何度も足を運びたくなる動物園にしたい」と話した。
●ホワイトタイガー到着せず 中国側の手続き遅れ 新築獣舎は“空室”
平川動物公園の展示新装では、新たに受け入れ予定のホワイトタイガーの雄と雌の2匹の獣舎も完成した。しかし、2匹は中国・桂林市の施設からの輸入手続きが遅れて到着していない。石堂昭憲園長は「お待たせして申し訳ない。ゴールデンウイークには間に合わせたい」と話している。
トラの国際取引はワシントン条約で細則があり、輸出側と輸入側の両政府の承認が必要。
同園によると、中国政府側の手続きは桂林市の施設が担当。今回の展示新装に間に合うよう申し入れていたが、平川動物公園に輸出許可書が送られたのは新装オープン前日の24日だった。
これを受け、同園は今月中に経済産業省に輸入許可を申請する予定。同省農水産室は「不備がなければ1週間程度で許可される」としている。同園は許可後の輸送の段取りも進めている。
【写真】水中のシロクマを観察できる「世界のクマゾーン」
=2011/03/26付 西日本新聞朝刊=