再生の原風景 渡良瀬
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【社会】PC遠隔操作事件真犯人 現実社会に初の「痕跡」
パソコンの遠隔操作による犯罪予告事件は、新年に入り新たな局面を迎えた。真犯人を名乗る人物が一日と五日、報道機関などに新たなメールを立て続けに送信。その内容通りに、江の島(神奈川県藤沢市)の猫の首輪から記憶媒体が見つかった。警視庁などの合同捜査本部は、ネット上で警察への挑発を繰り返してきた真犯人が、現実世界に初めて手掛かりを残したとの見方を強め、周辺の防犯カメラの解析に全力を挙げている。 (堀祐太郎、福田真悟) ■眼鏡の男湘南の海に浮かぶ観光地、江の島。丘を登るとメールの送信者が猫の写真を撮ったとみられる広場に出る。入り口の防犯カメラが目に入る。島内には昨年十二月下旬に三十五台に増設されたばかり。捜査員が連日、近くのモニター室で確認作業を進めている。 「一年前ぐらいから、あの広場で猫と遊ぶ二十代後半から三十代後半の黒縁眼鏡をかけた小太りの男がいた」と近所の写真店の経営者(76)。この男に似た人物が四日、猫の写真を撮影する姿を防犯カメラがとらえた。ほかにも猫に近づく複数の男性が写っており、捜査本部は人物の特定を急いでいる。 ■長官の名「警察に恨みを持つ者の犯行なのかもしれない」。捜査幹部は新たなメールが真犯人の動機を示唆している可能性があるとみる。 猫の首輪から押収された記憶媒体のマイクロSDカードに、「以前、事件に巻き込まれたせいで無実にもかかわらず、人生の大幅な軌道修正をさせられた」と記していた。 メールにはもう一つ仕掛けがあった。真犯人を名乗る人物のメッセージが読めるパズルを進めるためのパスワードに片桐裕警察庁長官の名前を使用。猫も、長官名を引用したのか「記憶媒体を友達の裕くんに預けました」とした。 パズルは、二〇〇〇年ごろに発売されたゲーム名、同時期に活躍したアイドルグループのヒット曲を題材にしており、捜査本部は真犯人が二十〜三十代の可能性があるとみる。 ■ウイルス「用心深い真犯人がわざわざ防犯カメラがある場所に足跡を残すだろうか」と、ある捜査幹部。真犯人がメール送信に使用したフリーメールのパスワードは約二カ月前にネット上に流出したことがあり、真犯人のメールをのぞき見た第三者が送信した疑いも捨てきれないという。 ただ、SDカードにはウイルスの設計情報が保存されていた。捜査本部は、遠隔操作事件に使われた犯人しか知り得ない情報に当たる可能性が高いとみて解析を進めている。この中には「メールアドレスを解約したのでもう発信することはない」とも書かれていた。別の捜査幹部は力を込める。「防犯カメラの解析を進め、早期に決着をつけたい」 PR情報
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