モルディブ:レイプ被害少女 不倫でむち打ち刑の恐れ
毎日新聞 2013年01月11日 19時11分(最終更新 01月11日 19時38分)
【ニューデリー杉尾直哉】インド洋のリゾートとして知られる島国モルディブで、義父に繰り返しレイプされて赤ちゃんも産んだ少女(15)が、他の男性と性的関係を持ったとして、不倫の罪に問われ、むち打ちの刑を受ける恐れがでている。過激なイスラム思想を反映したものだが、大統領府は裁判所に寛大な措置を求めている。
AFP通信などによると、義父は、赤ちゃんを殺害して殺人容疑で逮捕され、少女の母親も殺害を手助けしたとして逮捕された。捜査の過程で少女が別の男性と関係を持ったことが判明したという。少女が有罪になれば、むち打ちか自宅軟禁の刑が言い渡される可能性がある。その場合、刑は少女が成人となる18歳に執行される。
近年、モルディブではイスラム法が取り入れられ、不倫や婚前交渉には公開のむち打ち刑などが定められている。昨年9月には婚前交渉を認めた少女(16)がむち打ち刑を言い渡され、相手の男性は懲役10年となった。
レイプ被害の15歳の少女について、ワヒード大統領の報道官は「大統領は司法プロセスに関与できないが、少女は恐ろしい犯罪の被害者として扱われるべきだ」と、司法当局に寛大な措置を訴えている。