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K:という訳で記念すべき第1話ー。2話が出来るかはわかりませんが。
文下手なで本当申し訳無い、折角のあんぎゃーすの可愛さを、半分も伝えられない!
…まあ残り半分は各自脳内保管お願いします。
そのいち
「よしゴール!」

6月2日午前2時半過ぎ、私は目的地へと到着した。

人生ゲームB&B(ブラック&ビター)、通常の人生ゲームよりも所持金の変動が激しくなる人生ゲームである。

高額な「お宝」によっての一発逆転や、「ブラックゾーン」と呼ばれる魔の地帯(約20マス、その殆どが所持金をごっそりと持っていかれるエリア)等のギミックも多く、多人数でやればかなりの盛り上がりを見せる事間違い無しのボードゲームである。

「そんな、馬鹿な…」

このゲームにおいて私…Kと、ネット上では「あんぎゃーす」と呼ばれる私の同居人で幼馴染みである人とで、一つの賭けをしていた。

…そして、今この瞬間、私は賭けに勝ったのだ。

「3位到着だったけど…あんぎゃーすと私の所持金の差は240000$。
何の問題も無く、私の勝ちだね?あんぎゃーす?」

あんぎゃーすは顔を蒼白にしている。

…正直凄い嗜虐心を擽られるのだが、我慢我慢。
この後、罰ゲームという名のお楽しみが待っているんだから!



「…ラストゴール。ちぇ、結局6位か…」

「後からゴールしておいて勝つなよ!折角ギリギリ最下位を免れるかと思ったのに!」

「まあ6位以下は全員到着によるボーナス無いからねー。仕方ない仕方ない」

最後に友人2がゴール。
順位としては、
1位、私(K)
2位、友人5
3位、あんぎゃーす
4位、友人4
5位、友人3
6位、友人2
最下位、友人1となった。
なんだか順番が出来すぎな気がしないでも無いが、実際こうなんだから仕方が無い。

因みに、最下位は朝食を作る罰ゲームが待っている。

7人もいるので、それなりに重労働だ。二人男だし。

「流石に眠い…寝るかぁ…」

「女子組は風呂ねー」

男二人は既に風呂に入っている。

いやまあ流石にこっちも女の子だし、自分達の入った後の風呂は入らせたくない。

男の入った後の風呂に入るのはいいのかって?

一度流して念入りに洗ってるから、大丈夫でしょ。

因みに私とあんぎゃーすは最後。

後片付けしなきゃいけないし。

「ほらほら、片付けるよー」

「…うぅ〜K、今からでも罰ゲーム無しって駄目?」

「駄目。ほらほらちゃっちゃと片付けちゃおうよ、風呂も入らなきゃいけないし」

「うぅ〜…」

…キャラ崩壊ってレベルじゃない。

酒が程よく入っているからか、なんだかテンションがおかしくなっているようだ。

そんなあんぎゃーすに微笑ましい目を向けつつ、片付けを最下位。

人生ゲームの他にもゲーム機だのゴミだのといった細々したものを片付けていく。

勿論、頭の中では罰ゲームを考え中。

(折角の珍しい機会なんだし、何かとても凄い罰ゲームを…お?そういえば…)

人生ゲームを倉庫に片付け、ふと思い出す。

実はこの家には、元演劇部で裁縫が得意な友人1の作った作品(という名のコスプレ用品)が置いてある。

その殆どは既にいるキャラクターの服を作ったものだが、一部完全にノリと勢いで作ったものが存在する。

そしてその殆どがソッチ(・・・)系のものである…あう、言ってて恥ずかしいや///

例を挙げれば、毎年友人内の誰かがくじ引きで着る超ミニスカノースリーブサンタ服とか、本当に重要な部分のみを隠した紐水着とか。

勿論男のいる所では着ないけど。当たり前じゃん。

因みに、あんぎゃーすは着た事が無い。
私は…一回だけサンタをorz

ついでに、紐水着の方は一回だけ友人2が着て封印した。…流石にあれは駄目だわ。
無駄にクオリティが高いからたちが悪い。

で、その中の一品に手を伸ばす。

知らず知らず、口元が歪んだ気がした。

「ねぇねぇ、」

「んー?」

片付けを終え、目を閉じてソファーに寝転ぶあんぎゃーすに声をかける。

あーあー、綺麗な髪が散らばっちゃって勿体無い…

「罰ゲーム、決まったよ♪」

「っひゃん!」

わざと耳元で息がかかるように声をかけてやる。

「ななな何すんの!」

「ん?いや報告を?」

「耳元でやるな!」

顔赤くしちゃって慌てちゃって…ああ、可愛い。

「まあ詳しくは寝る前に言うとして…とりあえず私はお風呂に入ってくるよ。
話はそれからー」

丁度友人達があがってきた。

「ん、何?一緒に入らないの?」

「それも罰ゲームの一貫ー♪」



−キングクリムゾンッッッ!



はい、という訳で私のお風呂シーンは飛ばします。

見たいとか言うなそこ。見せないよ。

「あがったよー。もう眠いでしょ、早く入ってきなよ」

「はいはーい…」

既に眠たげな目を擦りながら、着替えを持って脱衣所に入るあんぎゃーす。

私は自室に戻ると見せかけて、色々な服を置いてある倉庫へ。

その中であるもの(・・・・)を取り出す。

…シャワーが流れる音が響く。今だ!

普通に脱衣所の扉を開ける。

「どうしたのー?」

「んー?いや歯磨きだけど」

「ふーん」

風呂の中から声が響く。
危ない危ない…これを見られる訳にはいかんのだ…

まあ歯磨きに来たのも本当なので、とっとと歯を磨く。

そして、これが本命!

倉庫から持ってきたものを、あんぎゃーすの着替えと入れ替える。

そして何食わぬ顔で脱衣所を後にする。

あんぎゃーすの持ってきた着替えをあんぎゃーすの部屋の箪笥にしまい込む。

さて、準備は完了。後は待つだけ!



−キングクリムゾンッッッ!



トタトタと階段と廊下を走る音が聞こえる。

やっと来たかっ!

「ちょっとKこれ何!?///」

「んー?何って…猫セット?」

「そういう事聞いてるんじゃないっ!///」

そこにいたのは…猫、であった。まあそのコスプレをしたあんぎゃーすだけど。

黒くふわふわした毛並みの、頭のてっぺんにつけた猫耳。

そしてお腹が大きく開いた…俗に言うキャットスーツと呼ばれる衣服。衣服かどうかは果てしなく疑問だが。
因みにキャットスーツには尻尾もついている。

猫手と猫足はつけてくれていないようだ。残念。

「ど、どうしてこんな事を唐突に…!///」

「え?罰ゲーム」

「!?」

「だって折角のいい機会だし…
今回の罰ゲームは、
「朝まで私の抱き枕(猫Ver)」という事で。駄目?」

「駄目に決まってるでしょうがっ!///」

何が不満なんだろうか。こんなに綺麗で可愛いのに…

風呂上がりで濡れて輝き、肌に張り付く綺麗な黒髪。
適度に引き締まった身体のラインを浮き立たせ、その魅力を隠しもしないスーツ。
剥き身の卵のようにすべすべなお腹。
その中心にちょこんと窪むお臍。

おお…眼福であるっ!

「まあ駄目とか言った所でそっちに拒否権は無い訳で。
賭けに負けたのそっちだし」

「うっ!?で、でも先にゴールしたのはこっちで…」

「総資産で勝敗決めるって言ったのそっちじゃん」

「ふぐぅっ!?で、でも私がゴールした時の差は…」

「そっちがゴールした時に40万くらい勝ってたけど」

「ぇぅっ!?な、なら…」

「…はぁ」

なんというか…テンパりすぎでしょう。

「細かい事は気にしない!勝ったのは私で、負けたのはそっちでしょー」

「うぅ…わかったよぉ…」

うっし!抱き枕確定!

「あ、猫足と猫手と…というか猫になりきってよ」

「えぇっ!?ちょ、お願いそれはやめて!」

「駄目」

「〜〜〜〜っ!」



「おーいで」

「ふにゃぅ…///」

脱衣所の方へ行って帰ってきたあんぎゃーすは、見事に猫になりきっていた。

四つん這いになって歩き、猫のように鳴く。

正直、たまりません。

とりあえずベッドの方へ呼んでみる。

そろそろとベッドへ上がり、ゴロリと横になる猫。

一緒にベッドに入り、布団をかけ、猫を抱き締める。

「っ!」

ビクリと猫が震える。

着てるのが薄い布製キャットスーツのみなのだ、感触がダイレクトに伝わって来るのだろう。

ああ、何と言うか…凄く落ち着く。

思わず大きく溜息をつく。

「ふにゃううううぅぅぅぅ…!」

「とと、ごめんごめん。息が当たっちゃった…」

まあ皆様おわかりの通り、わざと当ててるんだけど。

「それにしても…」

「ふみゅっ!?///」

両方の手で背を向けてるあんぎゃーすを抱きしめる手をちょっとだけ強くする。

「何だかんだで嫌がってないんだねー」

「なっ!?///ちが…」

「猫語」

「みゃううぅ…///」

頭を撫でてやれば、あんぎゃーすの身体が弛緩していく。

あんぎゃーすは緊張している時に頭を撫でてやれば、こうやって身体から力が抜ける。

「しんぞー、バクバク言ってるよ?」

「うにゃっ!?///」

お腹の少し上あたりに手を置くと、凄い早さで脈打つ心臓。

「やっ…手、どけて…っ!///」

「んふふー…」

なんというか、正直もっと色々したい。

したいんだけど…さすがになぁ。

「んん…もう寝よっかな。お休み−…」

「え、ちょ、腕を離し…!///」

そう言って、私の意識は落ちていった…。



「…ふう、やっと寝てくれた…もう、なんでこんな服着せるんだか…///」

…なぁんて言うと思ったか!残念ながら寝たふりです!ハッハー!

「うぅぅぅぅ…やっぱり恥ずかしい…///
今から着替える訳には…無理だよねぇ、こんなに強く抱きしめられてるし…」

こちらを向いてはいないけど、大体どんな顔をしているかはわかる。

「…ふぁ…私も寝よう…もう眠いし…お休み…」

あんぎゃーすは周りに人がいない時、ついつい考えを口に出してしまうという悪癖を持っている。

治して欲しいなぁとは常々思ってるんだけど…まあこれはしょうがないんだよね…

「…すぅ…すぅ…」

あ、寝た。相変わらず寝付きがいいや…

…で、こうしてちょっと待っててやれば…

「うぅん…むにゅ…んにゃ…」

こうやって身体の向きを変えてくる。

人肌が恋しいのか、誰かが添え寝をしていれば、絶対にこうやって抱き着いてくるのだ。

因みに私は抱きしめている両手の力をかなり抜いている。

だから、抜け出そうとすれば拘束から逃れるのはとても簡単。
簡単なのだが…

「…はぅ…すぅ…」

今度はあんぎゃーすの方からきつく抱きしめてくる。

首元にガッチリと手を回し、頭を私の胸に埋めている。

ああ…なんというか…あれだ。

語彙が貧弱で申し訳無いが、とても可愛い。

だっていつも凛々しくてかっこいいあんぎゃーすが!
こんなにも無防備であられもない姿を曝しているんだよ!

今は、今だけは、本当にあんぎゃーすが私だけの物だと実感できる。

そんな奇妙な満足感を覚え、私は床についた。



−もうちょっとだけ続くんじゃ。



翌朝。

というかその数時間後。

私はパッと目が覚めた。

時刻は午前9時ちょっとすぎ。

…キッチンは静か、まだ皆起きていないんだろう。

(というか、私もまだ起きれないし)

横を見ると、いまだにすやすやと眠るあんぎゃーす。

相変わらず私の首に手を回して、幸せそうな顔で眠っている。

とはいえ、流石に少し苦しい。

首からあんぎゃーすの腕を外すと、途端にあんぎゃーすの顔が曇る。

苦笑しつつ手を握ってあげると、また顔が綻んだ。

…たまには、二度寝もありかな。

「…おやすみ」
K:如何でしたでしょうか?
基本的にあんぎゃーすは「かっこいい女性」です。
しかし酒がかなり入ったり、親しい友人達しかいない時は隙を見せ始めるのです。

あ、ついでに下にいくつか補足をしておきます。



・キャットスーツ
身体にピッタリと張り付く、とてもアレな衣装。
最近はラバーやエナメルが多いそうだけど、やっぱ布。

・ゲーム神あんぎゃーす
麻雀等の運の要素が絡むゲームでは豪運持ちじゃ無いかってくらい強い。
でも人生ゲームはゴールしたもん勝ちじゃ無いし。

・作り話?
小説風にするために少しの脚色は加えてますが、恐ろしい事にほぼ起こった事そのままです。


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