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高校野球コラム

野球を好きになる七つの道 〜その4〜

2010年07月24日

四、勝利ばかり追わない

写真野球評論家・桑田真澄さん=鈴木好之撮影  68年、大阪府生まれ。甲子園で投手として20勝。86年、巨人に。通算173勝。07年に米ピッツバーグ・パイレーツに移籍。08年に現役を引退。現在はスポーツ報知評論家。著書に『野球を学問する』(平田竹男と共著)『心の野球――超効率的努力のススメ』など。
写真甲子園で投げる
写真効率的な練習について解説する=鈴木好之撮影

 野球をしていると、ぼくはいつもわくわくします。けれど、小学生時代は毎日、グラウンドに行くのが憂鬱(ゆううつ)でした。指導者に殴られるからです。顔がぱんぱんに腫れ上がり、殴るところがなくなると、今度はケツバットが猛スピードで飛んできました。 

 体罰は指導者だけでなく、先輩から受けることもあります。特に、目の前の試合に勝つことを至上の目的にすると、指導者は手段を選ばなくなります。とりわけ小学校時代は、礼儀と体づくりの基礎を身につけることが大事です。そんなときに、選手権大会は必要ないと、ぼくは考えます。

 プロ野球選手へのアンケートでは、指導者から体罰を受けた経験がある人が中学時代で46%、高校47%、先輩からの体罰が中学36%、高校51%にのぼりました。

 こんなに多いのは指導者が体罰を受けながら練習してきたからです。体罰は連鎖します。体罰を受けた選手は、体罰を与える指導者になる。理不尽な体罰を繰り返す指導者や先輩がいるチームだったら、他のチームに移ることも考えて下さい。我慢することよりも、自分の身体と精神を守ることの方が大切です。


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