歌手で俳優の武田鉄矢(63)が10日、都内の大手予備校で行われた受験生応援会で久しぶりに教壇に立った。CM出演するカップ麺会社の企画イベント。昨年は心臓手術の影響もあって出来なかったが、センター試験を前に2年ぶり5度目の“恒例行事”として定着しつつある人気授業だ。
武田は大阪市立桜宮高校の教諭による体罰で起きたとされる自殺についても自ら触れた。「好きな先生からビンタされれば“喜び”となる。それを嫌いな先生からされれば“暴力”となる」と同じ行動でも真逆の意味を持つことを強調。今回の事件で伝わっているような何十発というような場合は論外だが、愛情を込めた瞬間的な「体罰」については、一定の理解を示した。
武田の当たり役でもある人気ドラマ「3年B組 金八先生」(TBS系)を収録中にもビンタシーンが。叩かれたい生徒を5人募ると、何と全員30人が一斉に手を挙げたという。「あの時は顔がアップでうつるという自分のパフォーマンス的な部分も含まれていたでしょうが」と謙そんしたが、金八先生が愛されていたことを物語るエピソードだ。
昨今のいじめ問題についても気になって仕方がないようで「自分を好きになれない者は人も愛せない。そんな人たちがいじめを起こしていると思える。教育そのものを変えた方がいい」とも話した。
また武田にはこの日、「―金八先生」で金八の下宿先を切り盛りした役で共演した名脇役の千石規子さんの訃報も入った。「大先輩だっただけにボーッとした気持ちになりますね」とショックを受けている様子だった。
◆ベトナムで初海援隊ライブ ○…武田は自ら率いる「海援隊」がベトナムで初ライブを行うことも発表した。在ホーチミン福岡県人会の呼びかけで開催されるもので、同国から東日本大震災の際に受けた支援のお礼を目的としたステージだという。この日、海援隊は受験生に、おなじみの「贈る言葉」を披露。「(福岡の)天神でみじめな失恋をした時の体験が、歌の歌詞になりミリオンセラーになってしまった」と自虐説明。最後は「やっぱり若者を前にすると話したくなるもの。病だね」とご機嫌だった。
[2013/1/11-06:05 スポーツ報知]