ステマ:英米で進む法規制 複数芸能人の「お勧め」に注意
毎日新聞 2013年01月10日 13時14分(最終更新 01月10日 14時05分)
消費者庁は11年10月に示した見解で、口コミサイトや個人ブログについても、広告主が自ら書いたり誰かに書かせたりした内容によっては景品表示法違反(不当表示)に問われる可能性があるとしている。ただし、実際より格段に良いと消費者に誤解させる場合に限られる。ネットビジネスに詳しい伊藤雅浩弁護士は「書き込み内容によってはタレントも対象になる場合もあるが、広告であることを明示しなかったというだけで違法性を問うのは難しい」と話す。
佐藤佳弘・武蔵野大教授(社会情報学)は「芸能人によるステマは知名度を利用してファンをだます行為。米国などでは法整備が進みつつあり、英国は08年、宣伝と明記しない書き込みを法律で禁じた。日本も追随すべきだ」と指摘する。
一方、広告倫理に詳しい東洋大の疋田聡(ひきた・さとし)教授は「企業に対してすぐに法規制を考えるより、商品を買わないなど消費者の力で市場から退場させるべきだ」と話す。
サイバー社は疑わしいブログとして▽同時期に複数の芸能人が似た内容を記述▽「PCはこちら、携帯はこちら」などとリンクの張り方が丁寧▽1人が何度も記事にして写真も同一−−を挙げている。これらを参考に、当面は利用者が眼力を磨くしかなさそうだ。
◇ことば・ペニーオークション詐欺
入札のたびに手数料がかかるインターネット競売「ペニーオークション」で、実際には落札できないのに、利用者から入札手数料をだまし取った詐欺罪でサイト運営関係者ら4人が起訴された。約20人の芸能人が謝礼などを受け取って「高額商品を格安で落札できた」などの虚偽の書き込みをしていた。