ルーマニア女子大生殺人事件の本質:AIESEC アイセック・ジャパンの評判2012年12月31日 時事ニュース
日本語教師のプロが見た、ルーマニアでの日本人女性が殺害された件について。
2012年8月、ルーマニアで「日本語を教えるボランティア」*で活動予定だった20歳の女子大生が、現地へ向かう途中に殺害されるという事件が起きた。
*「日本語を教えるボランティア」....いわゆる世間ではこれを日本語教師とか日本語教師ボランティアと言われているが、厳密にはそうではない。過去のアイセックの同プログラムの参加者の活動報告を読んだが、これは日本語教師などではなく、ただの日本文化紹介及びその他日本とはあまり関係のない雑務をこなす、「日本語教師ボランティア」とは名ばかりのただの雑用である。通常、こうした体系だてられていない「日本文化紹介的な雑務」は、日本語教師の経験としては就職の際などには認められない(日本語教師の活動とはみなされない)ことが多い。
プログラムを運営し、派遣元であるAIESEC JAPAN(アイセック・ジャパン)は、この殺人事件が起きた当初から、終始一貫して参加者の自己責任であり、アイセックには一切の責任はない、の姿勢を貫いている。
確かに最初から移動などは自己責任の案内をしており、現地到着前の移動中の事件ではあるが、問題の本質はそこではない。
このプログラムに参加するには、アイセックはプログラム参加費として4万円を徴収する。その他さらにかかる実費諸々は参加者自己負担。
要はこのアイセックというところ、安かろう、悪かろうなのである。
事件は起こるべくして起こった。そういうことである。
■留学費用はあなたの命の保険の値段
4万円程度の参加費徴収の運営では、参加に際してろくな選考審査もおこなえない。例えNPOとて、キャッシュがつきればそれで終わりの営利民間団体と同じである。
できる限り、運営にかかる労力と経費をさっぴかないと運営はできない。
当然、プログラム参加者に対するチェックも杜撰になり、当然、安さと気安さに惹かれて集まってきた、本来、参加するに値しない不注意な人なども紛れ込んでしまうようになる。しかも当該団体においては、どうも全体的に学生サークルのノリが随所に見られ、よろしくない。
通常、他の団体では、日本語教師ボランティア・プログラムの運営は普通 数十万円はかかる。これはなぜかというと、
・しっかりと参加者を審査すること
・現地出発までの手配側の運営及び確たるルート構築
・現地でしっかりした運営
などのプログラムの永続性・安定性と質の維持に相応の人件費及び所費用で最低でも20-30万円程度以上はかかるからだ。
それを現地の連絡先があるから、とだけで放り投げ派遣をするだけなら確かに4万円程度で済む(というより、それならアイセックを通さずに、個人でいけばいいだけの話で4万円はボッタクリである)が、結局、「安かろう悪かろう」で今回の事件に帰結する。
また、お金というのは踏み絵(選考)の役割も果たす。今の世の中、お金はある程度、能力や努力に比例するようになっている。
ある程度の金額を支払う能力がある人は、それなりの能力・注意力も持ちえていることの1つの参考になる。
4万円などの格安では、本来、日本語教師活動に値しない人々が必ず集まってくる。
例えばこの4万円を、40万円に引き上げてみればよい。そうすると参加者も相当、申込みやプログラムの内容吟味に慎重になるだろう。結果として、誰でもかれでも参加してしまう、というリスクを減らすことができる。
本来、日本の代表として活動し現地でそれなりの責任を負うプログラムについては、ちょっと日本語教師養成講座をかじって、ちょっと語学力がある程度の幼い子供が参加してはいけない。
日本人は精神年齢が非常に幼い傾向があり、30歳くらいまでは、ともすれば海外に出るには危険な無知で幼稚な人が多く、入念に海外の行き先を選んだほうがよい。
ルーマニアなど欧州・東欧では日本語教育などはまったく盛んではなく、行っても雑用程度しかなく、派遣されるべき人材は、日本語教師経験を相当積んだ、ベテランが行って何ぼのところであり(実際、地方自治体によるルーマニアでの同じような派遣事業やJICAやなどでは「それなりの人材」がこうした所には派遣されるように「厳しい選考基準」になっている)、今回の参加者本人がinnocent(無知で無垢、幼い)な人材であったことは、本人のTwitterなどの記述を見ればわかるが、こうした人材は本人のためにも参加させてはならないのである。
要は 安かろう悪かろうに起因する、不適材不適所 が、このルーマニア事件の本質であり、派遣元の団体にも責任はある。
「寄って来た人間のすべてを参加させない」のも斡旋団体の重要な責務であり、事実、日本語教師海外派遣プログラムを扱っている民間の団体でしっかりやっているところは、結構な確率で、選考段階で不合格にしている。
というのも、不適切な人材を派遣してしまうと、現地での評判もよくなく、日本語教育の取りやめにもつながってしまい、また、それ以前に今回のような事件が起きてしまい、プログラム運営を中止にせざるをえなくなる...ゆくゆくは企業経営に障害が生じるからだ。健全な営利を追究している企業と違って、NPOはこの辺りが非常に曖昧で中途半端で危険がある。
そうしたしっかりと運営している民間団体を知りたければ、ホームページをよく見るとよい。日本語教師ボランティア派遣のホームページ募集要項の応募資格欄などに厳しいことを書いているのですぐにわかるだろう。
逆によくない団体やエージェントは、やたらネットワークや派遣している国の数、安さなどをアピールする傾向がある。「つながりや絆」を全面的に出すのは宗教勧誘と似ている。
この事件をふまえて、2012年10月16日に特定非営利活動法人アイセック・ジャパンは、「ルーマニアで発生した事件に対する当団体の対応と今後の取り組みについて」にて、
(1) 危機管理能力・知識、語学能力についての研修生選考基準の引き上げ
(1) 海外研修プログラムに参加の申込みを頂いた場合、下記の点等について、書類や外部
の面接官による面接(日本語及び英語)等によって審査します。その結果、一定の条
件を満たす方に限り、当団体との間で、海外研修プログラム参加に関する契約を締結
し、プログラム参加費4 万円をお支払い頂きます。
· 一定水準以上の外国語の能力があること
· 未成年の場合は、親権者の同意があること
· その他、海外研修プログラムに参加頂くにあたり支障がないこと等
などと発表したが、結局、これまでと何も変わっていない。
中途半端なNPOという立ち居地で、中途半端に参加費用を回収し、プロフェッショナル度に欠けた中途半端な運営で中途半端に派遣しているのがアイセックの実態である。
この事件でフジテレビのFNNニュースがアイセック・ジャパンに取材に訪れたときのアイセックのスタッフの対応も非常に幼稚なものだった。とにかく関係ないの一点張りで取材拒否し、挙句にはアイセックオフィス前の廊下にまだいる取材陣の会話を、幼い学生のようなスタッフが、透明なガラスドア越しに耳を当てて聞いている姿は、まるで取材陣をけん制するオウム真理教の信者のふるまいのようだった。
子供が子供を手配・派遣していたことに唖然とした。
アイセックがやるべきことは、今の10倍、40万円を払ってでも参加したい、と「お客」に思わせるようなしっかりとしたプログラムの構築と運営であり、NPOの傘を着た中途半端な営利サービス提供はやめるべきである。
また、前述のように、日本語の人気・日本語教育というのは世界のどこでも均等なのではなく、「110の国と地域で」などという派遣先の数を自慢するようなシロモノでもない。
そんな案内(販促)をし続けている限り、アイセックは改善されていないことの証である。
この程度の子供だましの形だけの「改善」と、現在の運営実態では、今後も同様の悲劇は起こるだろう。
そもそも同団体にはいまだに事の本質が見えておらず、また、このような団体に申し込む参加者に関しても、今回と同様に、結局は今後も「自業自得」の烙印が押され、うやむやに片付けられることになる。
About:AIESEC JAPAN アイセック・ジャパンの評判と口コミ
2012年8月、ルーマニアで「日本語を教えるボランティア」*で活動予定だった20歳の女子大生が、現地へ向かう途中に殺害されるという事件が起きた。
*「日本語を教えるボランティア」....いわゆる世間ではこれを日本語教師とか日本語教師ボランティアと言われているが、厳密にはそうではない。過去のアイセックの同プログラムの参加者の活動報告を読んだが、これは日本語教師などではなく、ただの日本文化紹介及びその他日本とはあまり関係のない雑務をこなす、「日本語教師ボランティア」とは名ばかりのただの雑用である。通常、こうした体系だてられていない「日本文化紹介的な雑務」は、日本語教師の経験としては就職の際などには認められない(日本語教師の活動とはみなされない)ことが多い。
プログラムを運営し、派遣元であるAIESEC JAPAN(アイセック・ジャパン)は、この殺人事件が起きた当初から、終始一貫して参加者の自己責任であり、アイセックには一切の責任はない、の姿勢を貫いている。
確かに最初から移動などは自己責任の案内をしており、現地到着前の移動中の事件ではあるが、問題の本質はそこではない。
このプログラムに参加するには、アイセックはプログラム参加費として4万円を徴収する。その他さらにかかる実費諸々は参加者自己負担。
要はこのアイセックというところ、安かろう、悪かろうなのである。
事件は起こるべくして起こった。そういうことである。
■留学費用はあなたの命の保険の値段
4万円程度の参加費徴収の運営では、参加に際してろくな選考審査もおこなえない。例えNPOとて、キャッシュがつきればそれで終わりの営利民間団体と同じである。
できる限り、運営にかかる労力と経費をさっぴかないと運営はできない。
当然、プログラム参加者に対するチェックも杜撰になり、当然、安さと気安さに惹かれて集まってきた、本来、参加するに値しない不注意な人なども紛れ込んでしまうようになる。しかも当該団体においては、どうも全体的に学生サークルのノリが随所に見られ、よろしくない。
通常、他の団体では、日本語教師ボランティア・プログラムの運営は普通 数十万円はかかる。これはなぜかというと、
・しっかりと参加者を審査すること
・現地出発までの手配側の運営及び確たるルート構築
・現地でしっかりした運営
などのプログラムの永続性・安定性と質の維持に相応の人件費及び所費用で最低でも20-30万円程度以上はかかるからだ。
それを現地の連絡先があるから、とだけで放り投げ派遣をするだけなら確かに4万円程度で済む(というより、それならアイセックを通さずに、個人でいけばいいだけの話で4万円はボッタクリである)が、結局、「安かろう悪かろう」で今回の事件に帰結する。
また、お金というのは踏み絵(選考)の役割も果たす。今の世の中、お金はある程度、能力や努力に比例するようになっている。
ある程度の金額を支払う能力がある人は、それなりの能力・注意力も持ちえていることの1つの参考になる。
4万円などの格安では、本来、日本語教師活動に値しない人々が必ず集まってくる。
例えばこの4万円を、40万円に引き上げてみればよい。そうすると参加者も相当、申込みやプログラムの内容吟味に慎重になるだろう。結果として、誰でもかれでも参加してしまう、というリスクを減らすことができる。
本来、日本の代表として活動し現地でそれなりの責任を負うプログラムについては、ちょっと日本語教師養成講座をかじって、ちょっと語学力がある程度の幼い子供が参加してはいけない。
日本人は精神年齢が非常に幼い傾向があり、30歳くらいまでは、ともすれば海外に出るには危険な無知で幼稚な人が多く、入念に海外の行き先を選んだほうがよい。
ルーマニアなど欧州・東欧では日本語教育などはまったく盛んではなく、行っても雑用程度しかなく、派遣されるべき人材は、日本語教師経験を相当積んだ、ベテランが行って何ぼのところであり(実際、地方自治体によるルーマニアでの同じような派遣事業やJICAやなどでは「それなりの人材」がこうした所には派遣されるように「厳しい選考基準」になっている)、今回の参加者本人がinnocent(無知で無垢、幼い)な人材であったことは、本人のTwitterなどの記述を見ればわかるが、こうした人材は本人のためにも参加させてはならないのである。
要は 安かろう悪かろうに起因する、不適材不適所 が、このルーマニア事件の本質であり、派遣元の団体にも責任はある。
「寄って来た人間のすべてを参加させない」のも斡旋団体の重要な責務であり、事実、日本語教師海外派遣プログラムを扱っている民間の団体でしっかりやっているところは、結構な確率で、選考段階で不合格にしている。
というのも、不適切な人材を派遣してしまうと、現地での評判もよくなく、日本語教育の取りやめにもつながってしまい、また、それ以前に今回のような事件が起きてしまい、プログラム運営を中止にせざるをえなくなる...ゆくゆくは企業経営に障害が生じるからだ。健全な営利を追究している企業と違って、NPOはこの辺りが非常に曖昧で中途半端で危険がある。
そうしたしっかりと運営している民間団体を知りたければ、ホームページをよく見るとよい。日本語教師ボランティア派遣のホームページ募集要項の応募資格欄などに厳しいことを書いているのですぐにわかるだろう。
逆によくない団体やエージェントは、やたらネットワークや派遣している国の数、安さなどをアピールする傾向がある。「つながりや絆」を全面的に出すのは宗教勧誘と似ている。
この事件をふまえて、2012年10月16日に特定非営利活動法人アイセック・ジャパンは、「ルーマニアで発生した事件に対する当団体の対応と今後の取り組みについて」にて、
(1) 危機管理能力・知識、語学能力についての研修生選考基準の引き上げ
(1) 海外研修プログラムに参加の申込みを頂いた場合、下記の点等について、書類や外部
の面接官による面接(日本語及び英語)等によって審査します。その結果、一定の条
件を満たす方に限り、当団体との間で、海外研修プログラム参加に関する契約を締結
し、プログラム参加費4 万円をお支払い頂きます。
· 一定水準以上の外国語の能力があること
· 未成年の場合は、親権者の同意があること
· その他、海外研修プログラムに参加頂くにあたり支障がないこと等
などと発表したが、結局、これまでと何も変わっていない。
中途半端なNPOという立ち居地で、中途半端に参加費用を回収し、プロフェッショナル度に欠けた中途半端な運営で中途半端に派遣しているのがアイセックの実態である。
この事件でフジテレビのFNNニュースがアイセック・ジャパンに取材に訪れたときのアイセックのスタッフの対応も非常に幼稚なものだった。とにかく関係ないの一点張りで取材拒否し、挙句にはアイセックオフィス前の廊下にまだいる取材陣の会話を、幼い学生のようなスタッフが、透明なガラスドア越しに耳を当てて聞いている姿は、まるで取材陣をけん制するオウム真理教の信者のふるまいのようだった。
子供が子供を手配・派遣していたことに唖然とした。
アイセックがやるべきことは、今の10倍、40万円を払ってでも参加したい、と「お客」に思わせるようなしっかりとしたプログラムの構築と運営であり、NPOの傘を着た中途半端な営利サービス提供はやめるべきである。
また、前述のように、日本語の人気・日本語教育というのは世界のどこでも均等なのではなく、「110の国と地域で」などという派遣先の数を自慢するようなシロモノでもない。
そんな案内(販促)をし続けている限り、アイセックは改善されていないことの証である。
この程度の子供だましの形だけの「改善」と、現在の運営実態では、今後も同様の悲劇は起こるだろう。
そもそも同団体にはいまだに事の本質が見えておらず、また、このような団体に申し込む参加者に関しても、今回と同様に、結局は今後も「自業自得」の烙印が押され、うやむやに片付けられることになる。
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