米国で開催中の国際家電見本市にソニーや東芝などが高精細テレビを出展、トヨタ自動車もIT(情報技術)で動く自動走行車を公開した。経済重視の安倍政権の発足を機に日本の産業力強化が再び焦点になっている。家電・IT産業の復活に取り組む時である。
日本の家電各社が展示したのは現在のテレビの4倍の解像度を持つ「4K」や有機ELの技術を使ったテレビ。シャープは消費電力を大幅に抑える新型液晶を使った表示装置も出展した。
携帯分野ではスマートフォンで撮影した映像を無線でテレビに送れる新端末をソニーが発表。パナソニックはインターネットで視聴できる次世代テレビ「スマートTV」の新技術を披露した。
日本企業が米国の見本市に力を入れるのは、円高やテレビの不振に伴う業績低迷から抜け出すのが狙いだ。パナソニックの津賀一宏社長は業務用機器や自動車分野にも力を注ぐ戦略を表明、日本の復権を印象づけようとした。
では日本の家電・IT産業が再び国際競争力を高めるには何が必要なのか。まずは米アップルが提供したように、ハード以外にソフトやサービスを融合した新しい娯楽体験をどう提案するかだろう。
映像のきれいな4Kも重要だが製品だけでは価格競争に陥ってしまう。新しい娯楽体験を提供する手段としてスマートTVは重要で、韓国企業も力を入れている。日本企業は国内で競い合う傾向が強いが、世界に向けた共通規格を一緒に広めていく努力が必要だ。
自動車と家電は日本の二大輸出産業だったが、現在は車頼みの構図だ。ネット経由で車の情報機器と家電が融合しつつある今こそ、自動車と家電産業が協力し合い、新しい娯楽や安全装置などを創出していくことが大切である。
新しい娯楽体験にはコンテンツやサービスも欠かせない。日本の通信会社や放送局は国内市場に特化し、閉鎖的な市場を形成してきた。今後は家電メーカーとサービス会社が力を合わせ、日本発のコンテンツを海外に広めていく仕組み作りが求められよう。
政治や行政にも責任がある。日本にはネット時代にそぐわない規制や商習慣が多く、「通信と放送の融合」もなかなか進まなかった。新しいソフトやハードを海外に広めていくには、著作権法や個人情報保護法といった規制についても今後は見直しが必要だ。
トヨタ自動車、ソニー、津賀一宏、情報技術、スマートTV、パナソニック、アップル、スマートフォン、東芝、家電、インターネット
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