上界、下界、上限、下限の定義
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定義 ( 最大元、最小元 )
集合 A の最大の元を 『 A の最大元 』 といい、maxA で表記する。
また、集合 A の最小の元を 『 A の最小元 』 といい、minA で表記する。
具体例
例えば、A={ x∈R|3≦x≦7 } の最大元と最小元は、
maxA=7 、minA =3
である。
一方、A={ x∈R|3<x<7 } の最大元と最小元は存在しない。
このとき、「 最大元 ( 最小元 ) が存在しない 」 という表記に戸惑う人がいるかもしれない。そこで
、仮に最大元 c が存在すると仮定しよう。
すると、c と 7 の間には実数が存在する。( ※ 定理1(実数の稠密性))
この実数は c より大きくて、7 より小さいのだから、c が最大元であるという仮定に反する。したがって、最大元は存在しない。
具体例
集合 A を
とする。このとき、maxA=1 であるが、minA は存在しない。
定義 ( 上界、下界 )
集合 A に属している任意の数 a について、
を満たす b 全体の集合を 『 A の上界 』 という。
また、集合 A に属している任意の数 a について
を満たす c 全体の集合を 『 A の下界 』 という。
集合 A が上界をもつとき、「集合 A は上に有界である」 という。
集合 A が下界をもつとき、「集合 A は下に有界である」 という。
集合 A が上下に有界であるとき、「集合 A は有界である」 という。
「 上界 」 を 「 じょうかい 」 と読み、「 下界 」 を 「 かかい 」 と読む。
定義 ( 上限、下限 )
集合Aが有界な場合、上界の最小元を 「上限」 といい、下界の最大元を 「下限」 という。
集合Aの上限を 「 supA 」 と表記し、下限を 「 infA 」 と表記する。
注意 ( 上限、下限は集合 A に属すとは限らない。)
@ A={ x∈R|3≦x≦7 } の上限、下限は、
supA=7、infA=3
である。このとき、上限・下限は集合 A に属する。
A A={ x∈R|3<x<7 } の上限、下限も、
supA=7、infA=3
である。しかし、上限・下限は集合 A に属さない。
集合 A を
とすれば、supA=1 、infA=0 である。
上限は A に属しているが、下限は A に属していない。
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