最大元と最小元
最大値・最小値
最大値とは、一番大きな値のことです。
また、
最小値とは、一番小さな値のことです。
例えば、集合
を、




と定義するとき、
この集合
の最大値は3になります。
また、この集合の最小値は1になります。
まぁ当たり前ですよね...。
また、集合
の最大値は、

と表され、
逆に、集合
の最小値は、

と表されます。
この例の場合、




となります。
最大元と最小元
今度はこの「最大値」・「最小値」の概念を、
順序関係にも拡張しましょう。
順序関係とは、一種の順番を与える関係なので、
一応、最大値や最小値となるものが存在します。
一般的に、通常の数字の大小関係に限らず、
順序関係における最大値は、普通最大元と呼ばれ、
最小値は最小元と呼ばれます。
さて、以下に例を挙げましょう。
前回定義した
2次元のベクトル間に対して、「≦」という順序関係を
としたものを用います。
こうしたとき、例えばこのベクトルの集合
の中で、
また、集合における包含関係
を順序関係とする場合、

の中で、順序関係
における最大元は、

となり、最小元は

となります。
当然、順序関係における最大元や最小元を表す場合も、
記号
と
を使います。
例えば、この包含関係の例を順序関係として最大元・最小元を表す場合、
となります。
最大元・最小元の明確な定義
「一番大きな元を、最大元という!!!」では、数学にしては少し適当だと思うので、
いかに最大元の明確な定義を与えましょう。
順序関係
において、
の元
が
で最大元であるとは、





であることである。
まだまだ、この記法が分かりにくい方はいますか?
このような記法を理解するには、「慣れ」が必要なので、がんばりましょう。
つまり、「任意のAの元aを選んでも、絶対にa≦mとなるとき、mは最大元だよ〜」ということです。
mが一番大きいはずなので、他のどのような元を選んでもmより大きくなるはずはありません。
絶対aの方が小さいはずです。
つまり、どんな元よりも確実に大きい元のことを「最大元」と言います。
ちなみに、最小元は





となるとき、mは最小元になります。
ただ左右を入れ替えただけですね。
戻る