顧問が体罰、高２男子生徒自殺…大阪市

　大阪市教育委員会は８日、市立桜宮高２年の男子生徒＝当時（１７）＝が昨年１２月下旬に自殺したと発表した。市教委によると、生徒はバスケットボール部の主将で、顧問の保健体育科の男性教諭（４７）から体罰を受けていたと手紙に書き残していた。

　市教委によると、自殺前日にも教諭から体罰を受けていたことが判明。今後は弁護士でつくる市の外部監察チームが体罰と自殺の因果関係について調べる。顧問は体罰を認め、遺族に謝罪した。

　また、大阪府警は８日までに顧問から事情を聴いた。府警によると、手紙や遺書のほかに生徒が「部活動が負担になり、顧問の指導が苦しかった」との趣旨を記したメモもあり、顧問は聴取に「部活動が負担になっていたんだろう」と説明したという。

　市教委によると、試合中などに平手打ちの体罰を繰り返し受けていた。市教委は「かなりの頻度だったようだ」としている。

　生徒は昨年１２月２２日夜、バスケットボールの練習試合から帰宅した際、母親に「今日も（顧問から）かなり殴られた」と話していた。常習的に体罰を受けていた可能性がある。

　２３日午前６時半ごろ、自室で制服のネクタイで首をつった状態で死亡しているのが見つかった。

　生徒は自殺の数日前に教諭宛ての手紙も書き残していたが、実際には教諭に手渡せていなかった。厳しい指導や体罰を受けていたとする内容だった。

　記者会見した市教委の長谷川恵一委員長は「教員による体罰が判明しており、心より深くおわびする」と謝罪した。佐藤芳弘校長は自殺の動機について「顧問の望むような主将になれないという葛藤があったのではないか」と述べた。

　市教委はこの教諭について、一昨年にも「体罰傾向があるのでは」との情報が市に寄せられたが、学校の調査で体罰はなかったとの報告を受けていたことを明らかにした。当時、生徒への聞き取りをしておらず、この件も含め監察チームが事実関係を調べる。

　教諭は１９９４年に採用され、同校で勤務している。

　男子バスケットボール部は大阪府内の大会で優勝を重ねる強豪。市教委によると過去５年間でインターハイに３回出場している。

（2013年1月8日14時42分  スポーツ報知）

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