震災がれき:北九州への委託、3月で終了 宮城県前倒し
毎日新聞 2013年01月10日 13時49分
石巻市の震災がれき処理を北九州市に委託している宮城県は10日、委託終了時期を来年3月末から1年前倒しして、今年3月末とする方針を固めた。同県の若生正博副知事が同日午後、北九州市役所を訪れ、北橋健治市長に経緯を説明する。震災がれき量が想定を下回ったためで、宮城県は広域処理を東北や関東地方などに限定すると見られる。
北九州市は西日本で唯一、震災がれき処理を引き受け、昨年9月17日に震災がれきの本焼却を開始。市内の門司、小倉北、八幡西区の3焼却工場で1日約110トンを燃やし、若松区の処分場で埋め立て処理をしてきた。これまで週1回、専用コンテナ船で運び、昨年末現在で1万2222トンを焼却。予定では来年3月までに最大6万2500トン処理する方針だった。
市によると、1トン当たりの処理単価は約2万7000円で、宮城県が受け持つ北九州市までの輸送費(1トン約5万円)を合わせると、実質の処理単価は1トン当たり約7万7000円。市が当初見込んだ約9万円より低いが、環境省が示す広域処理費用の目安(3万〜7万円)を上回っていた。
北橋市長はこれまでの会見や取材に対し「宮城県の震災がれきが減り、受け入れ終了の話があれば北九州市は受ける」などと話していた。【宍戸護、内田久光】