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仏像の内部に金属性の「五臓」や鏡
1月9日 7時47分

仏像の内部に金属性の「五臓」や鏡
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江戸時代の初期に中国人が長崎市に建立した寺の仏像の内部に、心臓などの形をした金属製の板などが納められていることが分かり、調査に当たった九州国立博物館などでは、仏像に命を宿らせる意味合いで、当時の中国の風習を知るうえで貴重な史料だとしています。

金属製の板などが見つかったのは、江戸時代初期に中国人が建立した長崎市の興福寺の本尊で、17世紀末から18世紀にかけて中国で作られた釈迦如来坐像です。
去年10月、九州国立博物館と長崎歴史文化博物館がエックス線を使って仏像の内部を調べたところ、胸から下の部分に空洞があり、中に「五臓」と呼ばれる心臓や肺などの形をした薄い金属製の板が、長さ15センチ余りの針金に結びつけられていることが分かりました。
さらに、下の部分には銅製とみられる鏡も納められているということです。
九州国立博物館によりますと、中国では唐の時代から、仏像に命を宿らせる意味合いから内部に「五臓」や鏡を納める風習がありましたが、国内の仏像から金属製の「五臓」と鏡が一緒に見つかったのは初めてだということです。
九州国立博物館の楠井隆志主任研究員は、「大変貴重な史料であり、信仰が国境を越えて来たことが確かめられた」と話しています。

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