中東や北アフリカで、次々と独裁政権を崩壊させた「アラブの春」。
その民主化の動きから2年。
各地では今も、混とんとした情勢が続いています。
新たな国づくりへ向けた混乱が続く、エジプト。
政権を握るイスラム勢力と、それに反対する勢力の対立が、国内の経済にも深刻な影を落としています。
「経済に悪影響が出ているのはムスリム同胞団が国を統治できていないからだ。」
シリアではアサド政権と反政府勢力が、泥沼の内戦に突入。
激しい戦闘により、多くの市民が犠牲となっています。
2013年、「アラブの春」から2年を迎えた中東に、安定は訪れるのか。
その行方を展望します。
傍田
「今週、シリーズでお伝えしている『2013年世界はどう動く』。
3日目の今日(9日)は『アラブの春』から2年を迎えた中東地域に焦点をあてて民主化の行方を探っていきます。」
鎌倉
「北アフリカのチュニジアで起きた抗議デモをきっかけに、エジプト、リビア、イエメンで次々と長期独裁政権を崩壊させた『アラブの春』。
それから2年、まずは現状がどうなっているのか、黒木さんから伝えてもらいます。」
黒木
「中東に大きな変化をもたらした『アラブの春』。
独裁政権が倒れた国々でも混乱が続いています。
民主化に向けた国づくりが注目されるこちらのエジプトでは、2月に行われる議会選挙を前にイスラム勢力とそれに対抗する勢力の間で、国を二分する対立が激しさを増しています。
また『アラブの春』の発端となったチュニジアやその隣国のリビアでも不安定な政情が続いていまして、国づくりは難航しています。
そして今も、アサド大統領による独裁が続くシリアでは、反政府勢力との内戦が泥沼化し、戦闘での犠牲者は、6万5千人にのぼっています。
『アラブの春』によって広がった民主化の動きですが、各国はこのように厳しい現実に直面しています。」
鎌倉
「こうした国々の中で国際社会がその行方にとりわけ懸念を強めているのがシリアです。
最新情勢について現地からの報告です。」