-------------- 七度文庫 (なのたびぶんこ) 人妻編 官能描写制限版 --------------
(1)
大学の時のクラブの先輩から電話があり「今度展覧会やるんだけど、見に来てくれないかしら、」と誘われました。
大学を卒業したあと、絵を描き始めた事は聞いていたのですが、銀座で個展と聞いてびっくりしてしまいました。
当日、近くのデパートでクッキーの詰め合わせを買って会場に行きました。
展覧会の会場には、大学の時のコーラス部の同級生が大勢詰めかけていました。
会場で来客の応対で忙しそうにしている先輩に軽く会釈をして、もってきたクッキーを受付の女性に渡しました。
名前を書いて下さいと言われて、ノートで作った名簿に名前を書いていると礼子さんの名前も見つけました。
しかしもう帰ったようで会場には見あたりませんでした。
一回り絵を見てから帰ろうと思って、ほかの客の中に混じって端から絵をみていきました。
先輩の描く絵は人物画なのですが、正直いってあまりよくは分かりませんでした。
体の上半身にコートの様な袋をかぶせられて、その上から太い縄で縛られている絵がありました。
裸のお尻はこちらに向けられていて、横に縞模様のような紫色の彩色になっていました。
なんだか見ていても気持ちが悪くなるような色でした。
「現代の束縛を象徴する絵だね」と側のカップルが談義をしているのを聞いてそうゆうものかと思いました。
数枚の似たような絵の後、男性が椅子に腰掛けて、女性が二人跪いて男の腰に頭を寄せている絵もありました。
妙なことに二人の女性の手は後ろで縛られていました。
「これは権威への従属という社会的なテーマなんだ」とさっきのカップルがなにやら話していました。
一番最後に両手を縛られた女性が大きく足を開いてしゃがみ込んでいる絵がありました。
両足を投げ出してこちらに向けていてずいぶんと恥ずかしいポーズでした。
私はそのモデルの顔が礼子さんに良く似ているのに気が付きました。
もしかして礼子さんがモデルなのかもと思いましたが、芸術とは言え随分と大胆なポーズをするのねと感心しました。
絵も見たことだしそろそろ帰ろうと受付に戻ると礼子さんが中年の男性と一緒になにか話していました。
「あ、よかった、紹介するわね」と礼子さんが私に気づいて声をだすと、そばの男性が私の方を見ました。
私つま先から頭のてっぺんまで目を走らす男の仕草はなにかいやな気分でした。
「この先生に、展覧会の費用をだしていただいてるのよ」と言われて私はようやく先輩が展覧会を開いた理由が分かってきました。
いくら絵が上手でも、先輩が自分で展覧会を開ける訳がありませんでした。
私はいちおう聞いておいた方がいいと思って、「あの絵のモデル礼子ちゃんなの」とさっきの絵を指さしました。
「あ、そうよ」とあっさりと答えが返ってきて、拍子抜けでした。
「よかった有紀ちゃんもモデルにならない」と礼子さんに言われて「あ、私でいいんだったら、お願いしますね、」と気軽に答えてしまいました。
しかしさっきの礼子さんがモデルの絵をもう一度見て、余計なこといっちゃったのかしらと後悔しました。
(2)
「先生はね月に一度くらい理事会の会合で上京なさるのよ、理事会は午後だから、時間つぶしにカラオケしていきましょうよ」と誘われました。
先輩のパトロンの先生なら断ってあとで恨まれても困ると思い、カラオケくらいならと一緒に行くことにしました。
「この先ちょっと行くとカラオケの店あるから」と言われて私は3人で並んで大通りを歩き始めました。
ちょうど突き当たりにデパートがあり、その前の大通りには歩道橋がありました。
歩道橋を上がり始めたとき私は礼子さんの足取りがなにか変なのに気が付きました。
膝が震えたようになって、なかなか足を上げることができずにゆっくりとしか登ることができないようでした。
急に風が吹いて、礼子さんのスカートがめくれたとき私ははっとして息を飲みました。
短いスカートの下に礼子さんは何も着けていませんでした。
肌色のはずのお尻は、紫色に腫れ上がって縞模様のように見えました。
私はさっき見た絵のお尻が、紫色に見えた理由が分かってきました。
デザインで紫色にしたのではなく、実際のモデルが紫色のお尻をしていたに違いありませんでした。
そう思うと、座った男性の腰の前に女性が二人頭を埋めている絵も分かってきました。
先生に先輩と礼子さんがフェ××オをさせられている場面に違いないと思いました。
展覧会のお金をだしてもらうというのはそうゆう事だったのだと気が付くと私は体が震えてきました。
私もモデルにしてもらうと言ってしまったけれど、私も礼子さんみたいにされるんだろうか。
それとももっと酷いことをされるんだろうかと思うと体中が震えてきました。
カラオケ店に入ると私達は部屋に案内されました。
案内してきた店員がドアを閉めてでていくと、「さっきは階段で止まったな、止まらずにわたれと命令したはずだ」と先生が言い出しました。
「どうぞ思う存分お仕置きをしてください」と言うなり、礼子さんは床に四つん這いになり、スカートをめくって紫色に晴れ上がったお尻をむき出しにしました。
「お願い助けてあげて、これ以上はだめ」と私が慌てて叫びました。
すると、「それなら、お前が替わりにお仕置きをうけるんだ、」と言って先生は私を床に押し倒しました。
礼子さんは先生に渡された縄を手に取ると私の両手と両足を縛り始めました。
「ごめんなさいね」と小さく私の耳元でささやく声が聞こえましたが、縛り方は手慣れた様子で、私は足首と手首をきっちり縛り付けられて動けませんでした。
先生がボリュームを操作してカラオケの音楽を部屋一杯の大音量にすると私は耳が痛くなりました。
先生が鞭を使っても、私の悲鳴は自分の耳にさえ聞こえませんでした。
欲望の儀式が始まる予感が、私の身体を襲いました。
しだいに激しさを増す欲望には抵抗する気力もなくなるほどの荒々しさがありました。
支配者の欲望に従順に従うことだけが、私に許された最後の希望でした。
激しい渦の流れに私の体は飲み込まれ、体ごと深く沈み込んで浮き上がる望みもなくりました。
時計の針が止まると、永遠の時間が私の体を支配していました。
天高くまで舞い上がった私の身体は、燃え尽きるまで宙をさまよい続けました。
先生は私の身体を一撃で貫き通すと、最後の欲望を果たしました。
(完)
-------------- Copy Right 七度 柚希 (なのたび ゆき) 2003/3/30 Ver 1.05 --------------