だが、そうまでして永田町・霞ヶ関にやって来たものの、必ずしも記者会見に出られるというわけでもない。
そこで邪魔をするのが記者クラブシステムである。新聞・テレビの同業者が権力者の門番よろしく、フリーやネット、海外メディアの記者の入場を制限するのだ。
フリーランスは誰一人、記者クラブに入りたいと言っているわけではない。単に、政府の公的な記者会見に参加したいと希望しているにすぎない。にもかかわらず、参加は認められず、仕事のできない状態が続いているのである。
そもそも多くのジャーナリストにとって、記者会見に出席すること自体は目的ではない。それは、単に取材上の手段だと認識している。
なにしろフリーランスの記者たちにとって、記者会見への出席は、金銭的にも時間的にも単なる浪費なのである。新聞・テレビの記者のようにその仕事自体に給料が発生しているわけではないのだ。
「そうした若手のジャーナリストたちの声を一度、聞いてはもらえないでしょうか?」
昨年末、私が、小沢一郎元代表に頼んだのはそういうことである。
では、なぜ小沢一郎氏か。
小沢氏に懇談を頼んだ理由と
フリーランス側の参加基準は
実は小沢氏こそ、自民党を離党した直後の1993年から、一貫して記者会見をオープンにすべきと主張し、それを実践してきた政治家に他ならないからである。
その彼に政権交代後の現状を説明し、状況を知ってもらい、また、逆に彼の情報公開等に関する政策を聞こうというのが、今回の会合の趣旨であった。