国際理数学力調査:日本の小4過去最高点「脱ゆとり」効果

毎日新聞 2012年12月11日 20時11分(最終更新 12月11日 23時16分)

国際数学・理科教育動向調査の日本の成績
国際数学・理科教育動向調査の日本の成績

 国際教育到達度評価学会(IEA、本部オランダ)は11日、小学4年と中学2年生を対象に昨春実施した国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)の結果を公表した。日本は中2の数学(5位)・理科(4位)は横ばいだったが、小4の算数(5位)・理科(4位)は過去最高点で学力が向上した。専門家は「09年度から先行実施された新学習指導要領で授業時間が増えた成果」と「脱ゆとり」教育の効果と分析。一方で、小4、中2とも「勉強が好き」など意欲や関心は国際平均を大きく下回り課題は改善していない。

 欧米やアジアの、50カ国・地域(前回比14増)の小学生約26万人と42カ国・地域(同7減)の中学生約24万人が参加。1995年の第1回調査をもとに国際平均が500点になるように調整した。小中ともアジア勢が上位を占めた。中国は不参加。

 小4は算数が585点、理科559点となり、ともに過去最高。2007年の前回調査より算数で17点、理科で11点高くなった。中2の数学は前回と同じ570点。理科は前回から4点高い558点だった。小4の算数と中2の理科は前回07年から順位を一つ下げたが他は前回と同じだった。

 一方、「算数が好きだ」と答えた小4は「強くそう思う」「そう思う」を合わせて、国際平均(81.4%)より15ポイント以上も低い65.9%。「数学を使うことが含まれる職業につきたい」と答えた中2は国際平均(51.6%)より約34ポイント低い17.9%。また「理科を使うことが含まれる職業につきたい」と答えた中2は20.3%で国際平均(56.2%)より約36ポイントも低かった。

 澤田利夫・東京理科大非常勤講師(数学教育)は小4の学力向上について「算数と理科で観察や実験の授業時間が増えた学習指導要領の効果」、中2は「小学校段階で改定前の授業時数の少ない指導要領だった影響」と分析。さらに「小4、中2とも意欲や関心が依然低いのが問題。勉強への動機付けが必要」と話している。【石丸整】

 ★国際数学・理科教育動向調査(TIMSS) 算数・数学と理科教育の国際的な動向を継続的に調査する目的で、国際教育到達度評価学会が4年に1度実施。日本は今回、小中とも約4400人ずつが50〜60問を解いた。日本はこれまでほぼ500点台後半で2〜6位を維持している。

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