大谷、イチ流で二刀流！遊撃用スパイク「軽量ソール」モデル…日本ハム

寮の前で行った即席サイン会で、ファンの子供を笑顔で抱きかかえる大谷

自室のベランダから手を振る

グラウンドでキャッチボール

　日本ハムのドラフト１位・大谷翔平投手（１８）＝花巻東＝が、投打二刀流の秘密兵器として、ヤンキース・イチローモデルの軽量ソールを採用したスパイクを使用することが９日、分かった。この日、千葉・鎌ケ谷の２軍選手寮「勇翔寮」に入寮。キャッチボールでは、巨人・沢村級の剛球を披露した。一昨年までダルビッシュ（レンジャーズ）が使用した部屋のベッドも快適。「イチ＋沢村＋ダル」で、最強プレーヤーを目指す。

　イチ流で二刀流に臨む。大谷は花巻東時代からアシックス社製のスパイクを使用。プロでは遊撃挑戦に備え、従来の投手用より軽量で動きやすさを重視した野手用も用意した。イチローと同じウレタン素材のソールを採用した逸品で、同社担当者は「グリップ力が高く、地面をしっかりつかめる。走ることと横の動きに適している」と説明。週末に大谷の元に届く予定だ。

　バット、グラブも同社製でそろえた。メープル素材のバットは長さ８５センチ、重さ８９０～９００グラムと平均的だが、一般的な型に加え、重心が先端寄りでヘッドが利く長距離打者型の２種類を持参。大谷は「グリップは細い方をお願いした」とこだわりを明かした。グラブは投手、二塁・遊撃、外野の３種類。この日は茶色系を使ったが、「黒系がいい」とチームカラーと同色も発注。春季キャンプでお披露目されそうだ。

　用具だけでなく、実力の一端ものぞかせた。午前１０時５７分に入寮後、昼食を挟み、球場で３位・鍵谷、５位・新垣の同期新人とランニング、約５０メートルのキャッチボール。鍵谷は中大で２年先輩の沢村を引き合いに「きれいなスピンで、遠投でも落ちずに真っすぐ来た」と１６０キロ右腕の球威を証言した。外に雪が残る母校室内でブルペン投球を行ってきた大谷は「土の上で走りやすかった。長い距離を投げたのは久々だけど、指にかかった球はよかった」と好感触を口にした。

　前日は両親と栃木・那須の温泉で一泊。この日は午前８時半に出発し、父・徹さん（５０）の運転で上京した。報道陣７０人に対し、１枚もなかった私服を「長身のいとこに買ってもらった」。４階４０４号室の“ダルサイズ”のベッドも「ジャストでした」と笑わせた。集まったファン５０人にはサインで応じた。１１日から新人合同自主トレがスタート。「契約も少し遅れたので、（練習で）離されないようにしたい」。超一流の要素を融合させ、プロ人生を歩む。