初鹿明博のブログ 未来への扉 - 大麻
大麻取締法の改正し、現在規制対象となっていない種子も規制の対象とすることが出来ないのかを検討しているところですが、実際に、影響を受ける可能性のある方々からの意見を聞く必要があると思い、日本で一番の生産地・栃木県に行き、県の担当者と栽培農家の方と意見交換を行ないました。
鹿沼市文化活動交流館で、栃木県の薬務課の担当の皆さんと栃木県あさ振興連絡協議会の赤羽根会長さんと待ち合わせし、ここに展示されている大麻製品や大麻栽培の農具、そして、大麻の種子(写真)などを説明を受けながら、大麻栽培の現状について伺ってきました。
現在、日本全国で大麻を栽培している農家は60戸。全国一が栃木県で26戸、二位の岐阜県で18戸。それ以外は、1~3戸しかありません。さすが、栃木県は全国一位だけあって、種子の管理が徹底されていました。栽培用の大麻種子は全て県が管理しており、県の農業試験場で栽培された種子を連絡協議会に譲渡し、協議会から個々の栽培者に譲渡されることとなっています。また、大麻の繊維を使うには花が咲く前に刈り取ってしまうために、種子は全て使いきりで、栽培者が種子を作ることはないそうです。ですから、栽培者から種子が闇に出回るということは考えられないし、県も協議会もその辺りは徹底しているようでした。仮に、種子を譲渡する場合でも、輸入されている種子と同様に、発芽不能となるように熱処理することが必要だということです。そもそも、栃木県では昭和58年から「とちぎしろ」という無毒の大麻に全て切り替わっており、実際には、栃木で栽培されている大麻を吸引したところで、期待するような効果は望めないそうです。
他県が栃木県のようには出来ていないでしょうが、栽培者の数が限られているのですから、種子の管理をすることは可能だと感じました。
なぜ種子の規制をするのかという問い合わせが幾つかありますので、その点について説明します。
ここ最近、大麻を自宅などで栽培していて摘発される事件が頻繁に起こっています。中には有名大学の構内で栽培されていたという事件までおこってしまっています。
これは、現在、種子が規制の対象となっていないことが無許可での栽培を可能としているのであって、観賞用などと銘打って公然と、インターネット上で種子を販売することを認めてしまう一因となっています。
この状況を放置しているのは立法府の怠慢だと思います。種子も葉や花と同様に規制の対象とすれば、少しは、種子の売買や種子を購入して栽培することにブレーキがかかるのではないかと考えるからです。
仮に、それ程の効果が期待できないとしても、法改正をすることで、新政権は薬物乱用は厳しく対処するのだという姿勢を示すことが出来ると感じます。
大麻については、毒性が低いとか医療用にも用いられだしているだとか、逆に規制を緩めるべきだ、個人の使用は認めるべきだとの主張をしている方もいるようですが、どちらも的外れな主張だと私は思っています。
まず、大麻乱用者が違法だと知りながらも何度も繰り返し行なうと言う事は一定の中毒症状を起こしているのであり、何らかの快楽を得ることが出来ているからだと考えられます。そして、大麻はよりハードな薬物に手を出していくゲートドラックという位置づけもされています。また、暴力団や海外のマフィアの資金源にもなっています。
医療用に用いられているという主張をされる方もいますが、それをいうなら、リタリンもハルシオンもモルヒネも医療で使われていますが、医師等の専門家に処方されたのではなく使用すれば、刑に問われます。大麻もそれと同じことだと思います。
また、七味唐辛子などに大麻の種子が入っているではないか?これはどうするのか?という課題もあります。しかし、これも先程も記載していますが、基本的に輸入される種子は加熱処理されており発芽しないものですし、栽培者が使う種子に関して言えば管理をしっかりしているので流通することはほとんどありません。国内で商品とされている種子は発芽しないものが使われていると考えれば、発芽処理をしていない種子を規制の対象とすることは可能だし、必要だと考えます。
今日の意見交換で種子の規制を設けても栽培者にはそれ程大きな迷惑をかけることがないということが分かりました。
今度は、輸入した種子を調べる税関の職員や種子の輸入業者、七味唐辛子を生産しているメーカーなどの意見も聴取して行こうと思ってます。