日馬富士が伸び悩む稀勢の里にカツを入れた。8日、東京都江東区の尾車部屋で行われた二所ノ関一門の連合稽古に一門の枠を超えて参加。場所前の恒例となっている稀勢の里との三番稽古では5戦全勝。最初の一番で勝負がついた後、にらみつけて顔面をつかみダメ出し。5番目でも軽いダメ出しがあって、松ケ根親方(元大関若嶋津)から「横綱がそんなことしちゃダメだ」と注意が飛んだほどだった。
「アイツ、怒ると目をパチパチさせる。まあ、お互いが分かっている者同士。稽古だけですよ」と日馬富士。横綱がふがいなさを感じるほど稀勢の里の内容は寂しかった。攻める日馬富士に対し守勢に回ってばかり。本紙評論家で元横綱の北の富士勝昭氏(70)も「ちょっと前まで互角だったのに…。立ち合いの速さが全然違う。いつの間にか、こんなに差がついてしまった」と残念がった。
稀勢の里は「散々でしたね。でも状態は悪くない。ここから何とかしていきます」と話すのが精いっぱいだった。 (竹尾和久)
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