主力の先陣を切ってクラブハウスに現れたグランパスのGK楢崎=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで(木村尚公撮影)
|
|
名古屋グランパスのGK楢崎正剛(36)が8日、主力のトップを切って愛知県豊田市内のクラブハウスで新シーズンへ向けて始動した。無冠に終わった2012年の屈辱を晴らすため、チーム最年長の楢崎が早くもリベンジへ動きだした。
門松と鏡もちで正月ムードに彩られたクラブハウスに、7日の仕事始めから2日目にして早くも重鎮が姿を現した。主力では年明け一番乗りだ。「ちょっとひざのリハビリを兼ねて動いておこうと。やる気満々? いやいや。そんなんじゃないですよ」。楢崎は照れ笑いを浮かべつつ、トレーニング室へこもった。
自主トレは約2時間に及び、昨夏手術した左ひざのケアを中心に、軽めに体を動かしたようだ。昨年はクリスマスまで天皇杯を戦った。年明け間もないこの時期、主力の多くが休養に専念している中、異例の早さでの始動だ。
胸中には昨季の悔しさが渦巻いている。天皇杯準々決勝で横浜Mに敗れた後、「ちぐはぐなまま終わった。何も得られなかった一年でした」と無力感を口にした。Jリーグ、アジアチャンピオンズ・リーグ(ACL)、ナビスコカップと、ことごとく期待を裏切る結果に終わった。低迷の責任を人一倍感じていたのが楢崎だ。
「体は休められた。まあ、少しずつやっていきます」。威勢のいい抱負は口にしなかったが、オフを早々に切り上げての始動こそが、楢崎の決意表明。1月下旬にはグアムに渡ってコンディションを仕上げる。タイトル奪回へ、プロ19年目を迎える守護神が静かに走り出した。 (木村尚公)
この記事を印刷する