車の買取相場とは、市場で取引される中古車の価格を意味するものですが、車の場合は、その車種やグレードの多さに付け加え、色やオプションパーツ、さらに走行距離や修復歴なども考慮しなければならず、非常に複雑な計算方法になります。

しかし、愛車無料査定などを行っている買取業者も、実際の査定の際には、価格の規準となる、おおよその市場相場が分からなければ算出など出来ません。
ではそれらの査定業者は、どこから市場の相場を入手しているのでしょうか？
それを知るには、買取された中古車の流通ルートを知る必要があります。

流通ルートには下記などがあります。

• 自社販売（店頭・中古車情報誌・インターネットなどで販売される。）
• 業者間取引（販売業者同士で直接取引きされる。）
• オートオークション（業者専用のオークション会場で取引されます。個人売買などの目的でネット上に開設されているサイトではありません。）
• 海外輸出（国内で需要がない、または海外での価格が高い車種は、輸出されます。）
• 廃車（下取りで入庫した車で、市場で売れる見込みの無い場合は廃車にされる。）

実はこの中のオートオークションに、買取相場を知るヒントが隠されています。
通常、中古車販売店で展示販売されている車は、大半がこのオークションで仕入れられたものです。
ということは、いくら高価買取の看板を出している専門店でも、オークションよりも高い価格で個人から仕入れる理由はありませんから、一般的な査定ではオークション相場を上回る事は、ほぼ無いということになります。
これら事から買取価格は、オートオークションの相場を基準にして算出されているというのが分かって頂けたと思います。

それでは、中古車販売店や車の買取店に何のコネクションも無い素人が、このオークション相場を知ることは出来るのでしょうか？
結論から言えば、非常に難しいです。
オークションの落札価格は、古物商の許可を持っている参加者には公開されていますが、そのデータの知的所有権は通常オークション事務局が所有していますので、特別な理由でもない限り、不特定多数の人に公開されることはありません。
また中古車販売店や車の買取店も、わざわざ自分たちの利益率を公開するような行為や、相場表や価格表などの公開を普通はしません。

例えば買取店Ａ社とＢ社があったとします。
仮にＡ社が相場表を一般に公開したら、そのＡ社はもう車を買う事が出来なくなってしまいます。
なぜならＢ社は、公開されているＡ社よりも高くお客さんに金額を提示するだけで、買取出来る可能性が高いからです。
そして相場よりも高く買ったＢ社は、今までよりも少し高く売らなければ利益を出せなくなってしまいますので、結果として中古車の値段が上がり、一般の人も今までよりも高く買わなければならない、もしくは高いのでB社では買わないという悪循環になってしまいます。
上記は極端な例ですが、企業が不特定多数に公開し