大阪市立高校男子生徒自殺 自殺前日「きょうもかなり殴られた」
自宅で自殺しているのが見つかった大阪市の男子高校生が、教師からの体罰について、「きょうもかなり殴られた」などと、たび重なるSOSを発していたことがわかった。
学校が実施したアンケートでも、同僚部員の大半が、体罰を見たり、自らも受けていたと回答した。
これまで見過ごされてきた体罰の闇が浮かび上がり始めている。
バスケットボール部の顧問に、「自分ばかりたたかれる。たたかれる指導が嫌だ」という内容の手紙を残し、2012年12月23日に自殺した高校2年生、17歳の男子生徒。
大阪市立桜宮高校のバスケットボール部でキャプテンを務めていたが、顧問の47歳の男性教諭から複数回体罰を受けており、自殺の前日も母親に対し、「きょうもかなり殴られた」と話していたという。
この体罰をめぐり、新たな事実がわかった。
8日夜、橋下 徹大阪市長は「最悪ですね。もう重大な、本当に過ちですよ、これは。子どもがそれだけ見聞きしてるのにね、先生がわからないなんて、どんな学校なんですか」と話した。
男子生徒が自殺したあとに、学校がバスケットボール部の部員50人にアンケートを行ったところ、自殺した男子生徒に対する体罰を見た生徒が38人、自分自身に対する体罰があったと答えた生徒が21人、ほかの生徒に対する体罰を見たという生徒は48人にものぼった。
一方、学校側はこの体罰を把握していなかった。
桜宮高校の佐藤芳弘校長は「気付いてあげられなかったというのは、誠にもう、残念、悔やまれてなりません」などと話した。
学校は9日、保護者に対し、説明会を開くほか、弁護士でつくる市の外部監察チームが、体罰と自殺の因果関係などについてくわしく調べる方針。