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高校生自殺 教師が他部員への体罰も認める
1月9日 18時14分

高校生自殺 教師が他部員への体罰も認める
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大阪の市立高校でバスケットボール部の顧問の教師に体罰を受けていた男子生徒が自殺した問題で、この教師が大阪市教育委員会の調査に対して、「自殺した生徒以外の部員も発奮させるために殴ったことがある」と答え、ほかの部員への体罰も認めていることが分かりました。

大阪市立桜宮高校のバスケットボール部のキャプテンだった2年生の男子生徒は、先月23日自殺し、自殺する前日まで顧問の教師から体罰を受けていたことが明らかになっています。
高校が、先月27日に行ったバスケットボール部の部員と元部員の合わせて50人を対象にしたアンケートでは、男女合わせて21人が、同じ教師から顔を平手でたたかれるなどの体罰を受けたと答えました。
これについて大阪市教育委員会は、9日午後に記者会見し、この教師が「自殺した生徒以外の部員も発奮させるために殴ったことがある」と答え、ほかの部員に対する体罰も認めていたことを明らかにしました。
一方、桜宮高校では、9日は授業の開始を遅らせたり短縮したりしたほか、放課後の部活動は取りやめて、午後3時半ごろには生徒全員を帰宅させました。
高校では、午後7時から、生徒の保護者に対する事実関係の説明会を開き、生徒が自殺した先月23日以降の学校側の対応や、顧問の教師の体罰などについて説明するものとみられます。
一方、大阪府警察本部は、この教師の体罰が、暴行などに当たる疑いもあるとみて、およそ50人の部員のほか、顧問からも改めて事情を聴くなど、体罰や自殺に至ったいきさつについて捜査する方針です。

“大阪市は問題の総点検を”

教育評論家で法政大学教授の尾木直樹さんは、「運動部を看板にした高校では、部活動で成果を上げ、学校の名誉を高めている教師に周りの教師たちが体罰はおかしいとは言えなかったと思う。
生徒たちの間でも多少の体罰には耐えて頑張ったほうが、よい進路に結びつくという思いがあるため、今回のように生徒が自殺するまで問題が表に出なかったのではないか。
大阪市は、何が問題だったのか強制的に総点検して修正し、処分を徹底するとともに、生徒などからの訴えを受けて公平な立場から調査する第三者機関を設置すべきだ」と話しています。

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