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最終更新:2013年1月10日(木) 0時26分

高校側、調査せずに「体罰ない」と報告

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 大阪市の男子高校生が部活の顧問から体罰を受けた後、自殺した問題です。おととし、この顧問の体罰が匿名で大阪市に通報されていましたが、学校側は生徒への聞き取り調査をせずに、「体罰はない」と教育委員会に報告していたことがわかりました。

 9日、大阪市立桜宮高校でバスケットボール部員のキャプテンだった男子生徒が自殺した問題を受け、保護者への説明会が開かれました。自殺は体罰が原因だったのでしょうか。

 「私たち教職員、連携して生徒たちの悩み等、色々気持ちをしっかりと受け止めて、2度とこのようなことのないように努めて参りたい。『体罰そのものがあかんことやし、やってはいけないことやし』と言われる方もおられまして」(大阪市立桜宮高校・佐藤芳弘校長)

 男子生徒はバスケットボール部顧問の男性教諭(47)に、体罰を受けた翌日に自殺。男性教諭は3年連続でインターハイへ導くなど、実績を残す一方で、日常的に体罰を加えていた可能性も浮上しています。

 「平手で殴られることがあった。先輩は蹴られたり、物が飛んできたりということも」(桜宮高校バスケットボール部OB)

 男子生徒が亡くなった後に行われたアンケートでは、男女合わせて50人の部員のうち、男子生徒に対する体罰を38人が目撃していました。警察は男性教諭について、暴行容疑などを視野に本格捜査に乗り出す方針を固めています。

 この教諭の体罰については、おととし9月にも市の教育委員会に匿名の通報が寄せられていました。
 「体格の良い男性教師が子どもたちに体罰を加えている」
 「『教員に逆らうと退学させられる』と泣き寝入りしているようだ」

 こうした指摘を受け、当時の校長は運動部の顧問ら13人に聞き取り調査を実施。全員が「体罰はない」と答え、教育委員会に報告しま7$?$,!"@8EL$X$NJ9$-
 9日、教育委員会側は・・・
 「このときの調査が十分だったのかは、今となっては疑いが大きい」(教育委員会の会見)

 “警告”はなぜ生かされなかったのでしょうか。通報者に不利益を生まないよう始まった「公益通報者保護制度」ですが、実際どういった調査を行えばよいかなど、詳しい規定はありません。

 「特段こういう調査方法をしなさい、ということはないが、実態を明らかにするという意味で顧問だけでよかったのかという問題はある」(教育委員会の会見)

 体罰によって処分を受けた教職員は、過去10年間ほぼ横ばいです。昨年度、高校で処分された教職員は140人近く。悲劇の芽を摘むためにも、真相の解明が求められます。(09日21:15)

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