「主将だから、より怒られる」高２男子、理不尽さ苦に自殺か

　大阪市立桜宮高２年でバスケットボール部主将の男子生徒＝当時（１７）＝が、顧問の男性教諭（４７）から体罰を受けた後に自殺した問題で、生徒が顧問に宛てた手紙に「ほかの部員と同じミスをしても主将だから、よりきつく怒られる」という趣旨の記述があったことが９日、市教委への取材で分かった。

　生徒は手紙を顧問に渡す前に自殺。市教委は、生徒が自分に体罰が集中する理不尽さを苦に自殺した可能性もあるとみて調べている。

　捜査関係者によると、大阪府警が自殺当日に顧問から事情を聴き、手紙の内容をただした。顧問は「そういうことがあったかもしれない」と話し、指導の一環で暴力をふるったことを認めた。府警は暴行容疑などで捜査し、立件の可否を判断する。

　市教委によると、手紙には「ほかの部員が同じプレーをしても怒られない」との記述もあった。

　顧問は生徒が自殺する前日の昨年１２月２２日、練習試合でのプレーのミスを理由に生徒を複数回、平手打ちにしていた。市教委に対し「実力があるのに試合で力を出せない選手の気持ちを発奮させたくて体罰をしてしまった」と釈明している。

　また、２０１１年９月に市に寄せられた顧問による体罰情報の詳細も判明した。市教委によると情報提供者は「桜宮高バスケットボール部で、体格の良い男性教師が子どもたちに体罰を加えており、それを見ている子どもたちまでもが、つらがり、おびえてしまっている」と指摘。調査と改善を市に求めている。

　情報を受け市公正職務審査委員会は市教委に事実確認を指示。だが桜宮高側は市教委に「聞き取りを行ったが、体罰があったとは認められない」と回答したため、公正職務審査委は「違法、不適切な事実は確認できない」と結論付けていた。