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【社会】

シャネラー、マヨラー、お次はお酢ラー ミツカン推進

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 ファッションブランド「シャネル」好きは「シャネラー」、マヨネーズ好きは「マヨラー」。では、お酢好きは? 食酢メーカー最大手のミツカン(愛知県半田市)が、社内外のお酢好きでつくる「お酢(す)ラー推進委員会」を発足させた。会員制交流サイトに情報を書き込んだり、特製の名刺を配ったりして、活動は徐々に盛り上がりを見せている。 (山本真士)

 「酢テキ男子」「ダン酢女子」。お酢ラー推進委の公認メンバーの名刺には、もらった人が思わず「これ何?」と尋ねたくなる肩書が刷られている。裏面には「酸味のない人生なんて…」。一枚の小さな名刺のあちこちに、遊び心が垣間見える。

 この名刺は、社内外のお酢好き四十人が持っている。会員制交流サイト「フェイスブック」に公式ページも開設、公認メンバーが酢にまつわる情報を書き込んでいる。

 酢を売り込むこの取り組みで照準を合わせているのが、年配者に比べて食酢を好む人が少ない若者だ。国内人口が減れば、酢の消費も減少する。だから若者にもっと口にしてもらいたいが、旧来のPR手法では、打てどなかなか響かない。そこで、堅実な社風で知られるミツカンがあえて「お酢ラー」という言葉をつくり、若者の間でお酢好きの輪を広げる作戦を考えた。

 フェイスブックでは社名を前面に出さず、推進委のキャラクターの絵を配したり、メンバーが個人の視点で酢にまつわる情報を書き込んだりして、愛好者サークルらしい雰囲気を醸し出している。

 推進委すっぱい局長でミツカン製品企画部の梶原洋平さん(37)は「『お酢を売りたい』という下心もあるが、若者をはじめとする多くの人に酢への興味を持ってもらうことが最大の目的。会社のサークルではないので、酢が好きなら誰でも仲間に入れます」と入会を呼び掛けている。

<酢の生産動向> 全国食酢協会中央会によると、戦後に食習慣の洋風化が進む中でも酢はドレッシングやマヨネーズなどに使われ、食酢の生産量は伸び続けた。平成に入っても健康志向の高まりから需要が伸びた。2006年度にピークの43万4700キロリットルに達したが、近年は減少傾向にあり、11年度は40万3700キロリットル。単身世帯が増え、酢を使う手間をかけた料理を作る習慣が減ったことなどが理由と考えられている。

 

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