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'13/1/9

社長不在のままの解任劇



 突然のトップ交代となった広島電鉄(広島市中区)。社長を解任された越智秀信氏は、広島市と進めるJR広島駅南口広場の再整備や、今春に予定する運賃の値上げなどを主導してきた。突然の交代で、広島都市圏の交通基盤整備やまちづくりに影響が出る可能性もある。

 関係者によると、越智氏の降格は8日午後の臨時取締役会の議題に盛り込まれていた。越智氏は欠席し、不在のまま社長の解任を決めた。解任の理由を同社は「独断的な業務執行で支障があった」と説明。一方、越智氏は中国新聞の取材に対し「法令違反もなく、解任の理由が納得できない」と反発している。

 越智氏は、国土交通省の元キャリア官僚。大田哲哉前会長の招きで2009年に入社した。社内では「決断力があり、精力的」との声がある一方「現場に直接指示があり、混乱もあった」との評がある。

 広島市が進める広島駅南口広場再整備の路面電車の乗り入れ方法について、JR西日本側が高架案を支持。一方、越智氏は地下案を強く推し、両者の意見が異なる事態が続いていた。

 広電が今春に予定する路面電車の運賃値上げも主導。ただ進め方などに社内で異論もあったとされる。

 新体制への移行で「これまでのいろいろな計画が見直される可能性がある」と同社のある幹部はみる。

 解任の衝撃は関係者に広がる。越智氏と田村興造社長が相互に社外取締役を務める広島ガス(南区)は「突然のことで驚いた。今後、対応を検討する」。広島市の松井一実市長は「引き続き協力関係を保つ。今後の影響は少ないと思う」としている。

【写真説明】社長交代を発表した広島電鉄の本社ビル




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