嘉手納にオスプレイ9機配備 米が伝達

2013年1月9日 09時47分
(10時間36分前に更新)

 米政府が空軍嘉手納基地に特殊作戦用垂直離着陸輸送機CV22オスプレイを2014年から16年までに9機配備する計画を、昨年12月までに日本政府へ伝達していたことが、8日分かった。政府関係者が認めた。実現すれば海兵隊の普天間飛行場で本格運用されているMV22オスプレイ12機を含め計30機以上が配備されることになり、沖縄はアジア太平洋地域で最大のオスプレイ拠点となる。配備計画は県や嘉手納町など関係自治体には通知されていない。全機が日本本土での低空飛行訓練の対象となる可能性もあり、沖縄をはじめ各地の住民らが反発を強めるのは必至だ。

 沖縄タイムスは昨年6月、「空軍特殊作戦に関する配備計画」(10年3月作成)に基づき嘉手納基地へのオスプレイ配備計画を報じた。当時の藤村修官房長官は「日本政府として承知していない」と説明していた。

 本紙の昨年12月の取材に対して米国防総省高官は、嘉手納基地所属の第353特殊作戦群に15米会計年度(14年10月~15年9月)に5機、16会計年度(15年10月~16年9月)までにさらに4機を同計画通り配備し、国防費削減の影響は受けないとの見解を示した。

 CV22は昨年6月米フロリダ州で射撃訓練中に、米兵5人が負傷する墜落事故を起こしている。地元感情の悪化を恐れる日本政府は、ハイペースの配備への懸念を米側に伝えているもようだ。

 普天間では昨年10月に12機のMV22が配備されて以降、人口密集地や学校上空の飛行、午後10時以降の夜間飛行など訓練は激しさを増している。今後さらに12機が加わる予定だ。

 CV22は特殊作戦用だが、輸送用のMV22と基本構造はほぼ同じで、低空飛行用に地形を読み取るレーダーが装備されているとされる。嘉手納には現在、固定翼のMC130特殊作戦機が配備されている。

 軍備増強を進める中国をにらんだアジア太平洋地域重視の国防戦略の下、オバマ政権は最新の装備を同地域へ優先配備するとの基本方針を掲げている。垂直離着陸や空中給油の能力を持つオスプレイの導入で、嘉手納の基地機能を増強し、朝鮮半島有事などへの対処能力を高められると判断した。

知事「無理がある」

 上京中の仲井真弘多知事は、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの嘉手納基地への配備について「安全性について不安が解消されていない。民家の上を飛び、モードのチェンジも守られていない。かなり無理があるような気がする」と、現状の配備にも納得していないとの立場を示し、さらなる配備を困難視した。

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