アレルギー女児死亡:担任、確認せず誤った給食渡す 東京
毎日新聞 2013年01月08日 21時59分
東京都調布市の市立富士見台小学校で昨年12月、チーズなど乳製品にアレルギーのある5年生の女児(11)が給食でチーズ入りのチヂミを食べた後に死亡した事故で、同市教委は8日、20歳代の男性担任教諭が誤って食べさせたことが原因とする調査結果を発表した。
記者会見した海東元治教育長らによると、女児は12月20日の給食でチーズを抜いて調理されたチヂミを食べた後、おかわりを希望。担任教諭は誤ってチーズ入りのチヂミを渡したという。
市教委によると、同校ではアレルギーのある児童に対し、保護者の要望に応じて調理内容を工夫。女児の場合は翌月の献立内容をもとに保護者と栄養士らが事前に相談し、アレルギー食品を除いた給食を別途調理し、調理員が女児に直接渡していた。
また、おかわりによる事故を防ぐため、献立内容の中で女児におかわりさせてはいけない食品に「×」をつけた「除去食一覧表」を担任教諭向けに特別に作成。これは「おかわり表」と呼ばれ、おかわり時に必ず確認することになっていた。
しかし教諭は、保護者が念のためとして、おかわりできない食品にマーカーを引いて持参させていた前月配布の献立表で、チヂミにマーカーが引かれていなかったことから、おかわり表の確認をしないまま渡したという。
市教委の聞き取りに対し、教諭は「いつもは確認しているが失念していた。マーカーがなかったのでおかわりさせてしまった」などと釈明したという。
海東教育長は「確認はおかわり表でするのがルール。指導が徹底していなかった」と学校側の責任を認め謝罪した。市教委は今月中に医師や弁護士なども加えた検証委員会を設置し、再発防止策をまとめる。【森下功】