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外務省は竹島(島根県)をめぐる領有権問題で国際司法裁判所(ICJ)への単独提訴を当面見送る方針を固めた。韓国が共同提訴に応じないため準備を進めてきたが、安倍晋三首相が2月に発足する朴槿恵(パククネ)政権との関係修復を重視しているため。岸田文雄外相は8日の記者会見で、額賀福志郎・首相特使と朴氏の4日の会談に触れて「次期大統領も日韓関係の重要性を強く認識していると述べていた」と強調した。
単独提訴の準備はほぼ終えているが、岸田氏は「準備、検討している」と明言を避けており、当面は単独提訴を見送る考えだ。年明けには靖国神社放火などの中国人容疑者の引き渡しに韓国が応じなかったが、外務省は「去りゆく李明博(イミョンバク)政権の問題で過剰反応すべきでない」(幹部)として抗議にとどめた。