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「にじファン/NOSから極めて重要なお知らせ」が微妙に怖い。
これ結構パロディ多いからなぁ。作品名は出さないようにしよう。
"某最低野郎"とか"某捏造占い=不幸"な感じな表現になります。
カルガの街
第18話 機兵の搬入
 ベースに戻ってから三日が経ち、ドルフ用の機兵も完成した。

「兄さん準備できました」
『ゴウちゃん遅いわよ』
「あーすいません」
 愛用のトレーラーに乗り込み魔晶炉を起動させる。このトレーラーに今、ルーリは乗っていない。
 後ろに連結してあるトレーラーの運転席に座ってもらっている。あちらのほうでハンドル操作と
 ブレーキ操作をして貰う為だ。
 そう、ついでだからドルフさんにはトレーラーも貸してしまおうと思ったからだ。
 もちろん、俺たちが使っているトレーラーよりは機密保持の観点からデチューンを施しているが
 現行のトレーラーより遥かに高性能なのは保障できる。
「じゃあ行きます」

 "ベースオープン"
 ブン

 ブロロロロロロォ

 トレーラーを進ませてゲートを潜る。出る場所は、前回入ってきた場所と同じだ。

 "ベースクローズ"
 ブン

 後続のトレーラーがゲートを出た事を確認してゲートを閉じる。
 周囲を確認して目撃者が居ない事を確認する。
 ほんじゃ、街に戻りますか…。


「ドルフー!持ってきたぞ~!」
 東門の前で待っていてくれた、ドルフに運転席から顔を出して手を振る。
 トレーラをドルフの前まで進めてトレーラーを止める。
「おう、どんなもん持ってきたんだ?」
「ご注文どおり強い機兵を持ってきたぜ!」
「おお、そいつは楽しみだ。早速、駐車場に止めて確認しよう。…なんでトレーラーまであるんだ?」
 機兵を取りに行くと言ったがトレーラーもとは、言ってなかったな…。
「え?いやぁ本当は、グランゾルデ改と相席させる予定だったんだけどね。運転するの大変でさぁ。
 面倒くさいからさ、こっちも予備機出してきた。テヘッ」
「きめぇよ。じゃあそのトレーラー帰しに一回戻んのか?」
「んにゃ、よかったら使ってくれない?予備機だからこいつと同じような仕様だし…」
 トレーラーのドアをバンバンと叩く。
「いいのか?」
「いいの、いいの。それに実際、依頼に出た時に足並み揃えないとヤバイだろ」
「…んじゃあ。ありがたく借りとく…」
「ああ、そうしてくれ。じゃあ連結切るから。後ろのトレーラーの運転頼むわ」
「了解」
 俺はトレーラーの連結を切り、駐車場に向けて改めて走り出した。


「お帰りなさいませ。ゴウ様。こちらに駐車スペースを確保していますので着いて来て下さい」
 新機兵に興味津々なローラさんが、トレーラー用駐車場の前でツナギを着て待っていた。…偉いさんだろうに。
「ただいま。ローラさん…。一体そのカッコは何?」
「新機兵の搬入ということで、手伝おうと思いまして…」
「ギルドの仕事はいいんですか?」
「問題ありません。ギルドマスターの許可は頂いています」
 ギルドの方も興味津々ってわけだ…。
「分かりました。どこに止めればいいんです?後、もう一台トレーラーもありますし…」
「なんと…。もう一台トレーラーがあるんですか!!すぐに場所を確保します!!」
 そう言うと、ローラさんは駐車場事務所にすっ飛んで行った…。
 お~い、俺はどこに車止めればいいんだよ~。


 ふぅ、いろいろ問題が起きたが、ようやくトレーラーを止める事が出来た…。
 トレーラーを降りて挨拶をする。
「皆さん、お帰りなさい」
「皆おかえり~」
「ただいまー。アリカさん、カーラちゃん」
『ただ今、戻りました』
「ただいま」
「すごーい。おっきいトレーラーが、もう一台!」
 カーラちゃんは俺の持ってきたもう一台のトレーラーに、もう釘付けだ
「すげーだろー。余ってたから持ってきた。よかったら使ってください」
「いけないわ。こんな高いものを…」
「かまいません。あっ、別にあげるわけではないので気にしないでください。(無期限に)貸すだけです」
「機兵を借りちまってんだ。この際、トレーラーも一緒に借りちまおうぜ。
 今使ってんのは機兵ごとギルドに貸し出しとけばいいしなっ!」
 機兵ギルドは、機兵のレンタルも行っている。これは、機兵を失った機兵乗りに対しての救済措置である。
 本来は、ギルドが機兵を用意するのだが、ギルドが仲介して余裕のある兵団が機兵を貸し出す事もある。
 機兵を失う可能性があるが見返りもそれなりに大きい。今回はこのシステムを利用しようというのだろう。
「わかりました。ギルドが責任を持ってお預かりしましょう」
 ローラさんが請け負う。
「じゃあ持ってきた機兵の説明をするんでキャビンに入ってください」
「は~い」
 カーラちゃんが元気に返事をする。
 一行がゾロゾロとキャビン入っていく…。
「お邪魔します」
 …ローラさんもさも当然のように入って行くんですね…。まぁいいけど。

 クライングアントの時と同じようにキャビンの壁をモニターに変える。
「やはりそれは魔法では…」
「魔法です」
 ローラさんの突込みを封じつつ説明を開始する。
「持ってきたのはこいつです」
 モニターに持ってきた機兵の簡単な設計図を写す。
「こいつぁ。すげぇな」
「わぁ。とーちゃんとおんなじ顔~」
同じ顔といっても面頬をつけてあるので、ワイルドさは本人より、劣るけどな。
「じゃあ上から説明しするぞ…。見ての通りこの機兵の特徴の一つとして、狼獣人型の頭部をしている事。
 この頭部は見かけだけじゃなく、現在のドルフと同等の視界を確保してある」
「…という事は、ゴウ様の機兵と同じように見えると?」
「違う。俺の機兵より見える。これは種族的身体特徴による為で、人の視野は約180度だが
 狼獣人の視野は約250~290度ある。…ドルフも良くこれで普通の機兵に乗ってるよ…。見えないってもんじゃないだろ?」
「まぁな、けど結局は慣れだよ。慣れ」
「そうか。だが今回の機兵は、ドルフの視野を余すことなく使えるって事だ。まぁ狼獣人用ヘッドセット…あー外視鏡の調整に時間が掛かるけどな…」
「それで機兵の視界がよくなるってんだ。文句はねぇよ」
「一応、耳に集音装置をつけてあるが…。ドルフって耳は良い方?」
「ああ、それのお陰で奇襲を受ける心配が無いな」
「じゃあこいつも武器になるな…。じゃあ次に右腕だ」
「何が変なもんがくっついてっけどなんだ?」
「折りたたみ式クローだ」
 手元の端末を操作してクローを展開させる。右腕の外側についたカバーが手のひらを包み隠すと同時に折りたたまれていた長い爪が姿を現す。
「このようにして、普段は折りたたんでおき、使用する時に展開させる。…ああ、安心して良いぞ。要らなければ普通の腕に付け替えればいい」
「ふざけんな。こんな面白いもん誰が付け替えるかよ」
 気に入ってもらえたようだ。
「じゃあ、今度は左腕だ」
 再び端末を操作して左腕にズームする。
 そこには奇怪な腕があった。肩や上腕は普通なのだが下腕が異常だった。肘が異様に長いのだ…。
 そこには六角の鉄柱と鉄柱の根元に機械がついていた。その為、腕をまっすぐ伸ばす事が出来ない。
「こいつぁ…」
 ドルフさんは気づいたらしい。
「この長い肘は、棍棒になっています。このままでも使用する事は出来ますが、実際には下腕を回転させて前に持ってきます」
 モニターの機兵が腕を上げて下腕を回転させ棍棒を下にする。
「これはさすがに使えないのではないですか?着けるにしても剣や槍の方が良いのでは?」
「これで良い…。いや、これじゃないとダメだ」
 ドルフがローラさんの意見を却下する。顔には、凶暴な笑みが浮かんでいた。よほどコレが気に入ったらしい。
「じゃあ最後に足ね。まぁこれといって説明する事は無いんだけど…。端的に行ってグランゾルデ改とおんなじ足」
「十分すげぇじゃねぇか…」
 多分、換装システムのことを思い出してんだろうなぁ…。
「まぁとりあえずはこんなもんかな…。あとは実機を見てもらいながら説明しましょう。
 …そうだな…ルーリはアリカさんとカーラちゃんに新しいトレーラーの使い方を説明しといて」
「分かった」
 アリカさん達をルーリに任せて俺は、ドルフとローラさんを連れてトレーラーに向かう。
「そういやゴウ、こいつの名前はなんてーんだ?」
「こいつの名前か?そいつはドルフさんに任せるよ…。ドルフさんが乗るんだから」
「そうか…。なら強そうな名前を考えるとしよう」
 トレーラーの荷台に登り、機兵に被せているシートを剥がしていく。
「設計図を見してもらったが…、実際に見るともっとすげぇな…」
 特徴的な狼ヘッドが太陽の光を浴びて鈍く光る。トレーラーの周りにいた機兵乗りたちも何事かと見ている。
「ドルフは操縦席の説明するからこっち来てくれ。ローラさんは、機兵に異常がないか見てくれません?」
「おう」
「…分かりました」
 ローラさんはこっちに来たそうだったが、俺の言う通りにしてくれた。
 俺とドルフは操縦席に向かう。
「ドルフとりあえず操縦席に座ってくれ」
「おう、やっぱ新品の操縦席はいいなっ!」
 嬉々として操縦席に座るドルフ。
「さて本題と行こう」
「こいつの左腕の事だろ…」
 ドルフが悪そうな顔でにやりと笑う。
「わかってるようだけど。そうだコイツは、"ウルフ・バイト"だ」
「やっぱりか!!…だが何で棍棒なんて言ったんだ?」
「切り札は多い方が良いでしょ。それにあんまり武装をひけらかしたくない」
「いまさら何言ってやがる」
 まぁ、好き勝手改造した機兵を持ってきている時点であんまり意味は無いかな…。だってかっこいい機兵が動いてるとこ見たいじゃん!
「まぁとりあえず使い方だ。右腕の変形は、右の操縦桿についてるスイッチで…、そうそれ。
 左腕の変形は左の操縦桿についてるスイッチで…うんそれ。んで最後に"ウルフ・バイト"の外装のパージはあっちの壁にあるスイッチで
 やってくれ」
「分かった。早速、動かしたいんだがいいか?」
「それはちょっと待ってくれ。ドルフ用のヘッドセットの調整が出来ていないんだ」
「ああ外視鏡の代わりって奴か?それがあれば今と同じように見えるって本当か?」
「本当だよ。見たらビックリすること請け合いだ」
「そいつぁ楽しみだ」
 それから俺は、操作の細かい説明をドルフにしていった。



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