大津・中2自殺:同級生送検 識者の話
毎日新聞 2012年12月28日 東京朝刊
◇学校対応こそ問題−−NPO法人ジェントルハートプロジェクト理事で文部科学省いじめ問題アドバイザーの小森美登里さんの話
教育現場への警察の介入を全面的に否定はしないが、学校がいじめ対応で機能していないことこそが問題だ。現場の一番近くにいたのは教師で、対応のスキルと情報共有があれば、手前で自殺した男子生徒の命や心を守り、少年3人も立件されずに済んだかもしれない。安易に介入を求める風潮ができていることも残念だ。
◇警察介入は慎重に−−前野育三・関西学院大名誉教授(刑事政策)の話
県警が少年3人を書類送検などにしたのは、刑事罰の対象外で逮捕できない14歳未満が3人の中に含まれる▽14歳以上でも未成年の逮捕は慎重にすべきだとの規定がある▽逮捕しなくても事案が解決できると判断した−−ためだろう。今回の事件は事態が深刻で加害事実があったとすれば警察の介入はやむを得なかった。しかし混乱をもたらすのも事実であり、慎重に検討すべきだ。