大阪・高2自殺:「体罰です」顧問謝罪 通夜で母の問いに
毎日新聞 2013年01月08日 21時02分(最終更新 01月08日 23時31分)
学校教育法では「教員は体罰を加えることはできない」と体罰禁止を明記している。文科省が07年2月に都道府県教委などに出した通知では、体罰に当たるケースとして、「殴る、蹴るなど身体への侵害」「肉体的苦痛を与えるような長時間の正座や直立」を例示。一方で▽授業中に教室内で起立させる▽学習課題や清掃活動を課す▽学校当番を多く割り当てる▽立ち歩きの多い児童・生徒をしかって席に着かせる−−などは「通常体罰には当たらない」との見解を示し、許容している。
文科省児童生徒課は「体罰禁止の規定を知らない教職員はいないはずだが、実際の現場で徹底されていないケースがある。教職員への研修・指導を通じて徹底していく必要がある」と話している。
94年には兵庫県龍野市(現たつの市)で当時小学6年の男子児童が担任教諭に頭と頬を手で数回たたかれた後に自殺。その後の裁判で体罰と自殺の因果関係が認定された深刻なケースもあった。
この児童の父親で「全国学校事故・事件を語る会」の内海千春さん(53)=兵庫県たつの市=は「怒りやショックよりも、またかという感じだ。教師の体罰による子どもの自殺は、多くが表に出ないまま、なかったことにされている。何があったのか丁寧な実態解明なしに再発防止はできない。事実と向き合うことが、亡くなった生徒の命に向き合うことだ。学校や市教委は、彼が何を言いたかったのか代弁する側に立ってものを見てほしい」と話した。【平野光芳、林由紀子】