「ギレン・ザビ」の名前で届けられたランドセル＝７日、県中央児童相談所

　県は７日、県中央児童相談所が入る県福祉総合相談所（熊本市東区長嶺南）の玄関前に昨年末、新品のランドセル２個が置かれていた、と発表した。添えられていた手紙の差出人は、アニメ「機動戦士ガンダム」の登場人物の「ギレン・ザビ」となっていた。

　県子ども家庭福祉課によると、１２月３０日午前１時１０分ごろ、児童相談所に匿名の男性から「荷物を玄関前に置いておく」と電話があった。警備員が確認したところ、黒と赤のランドセルが１個ずつ、白い手提げ袋に入った状態で置かれていた。

　寄贈者は不明だが、「この国を発展させ、人類が等しく住みよい社会を形成するには児童の健全育成こそが鍵。諸君らの奮闘に期待する」などとつづった児童相談所宛ての手紙と、「実りある学校生活を送ってもらいたい」などと書いた子ども宛ての手紙が添えられていた。

　児童相談所の沼田宗生所長は「二つで１０万円はするだろう。思いがけない善意に感謝しています。県養護協議会と里親協議会と相談し、贈り先を決めます」と話している。

　ギレン・ザビは「ガンダム」の敵軍幹部。弟を追悼する演説や、戦いを前に兵士の戦意を高揚させた演説がファンの間で人気を博している。（潮崎知博）