もともと海が大好きで、スキューバダイビングを通じて海と触れ合ってきました。色とりどりの海の生き物に囲まれる至福のひととき…。その生態を知れば知るほど、もっと深く、もっと知りたい…海に潜るたびに、その欲求は色あせるどころか自分の中でどんどん加速していきました。そして、私の中で広がる海への憧れ、そして魅力を、広くたくさんの人に、自分なりに楽しくわかりやすく伝えて行けるんじゃないか、と思っていました。
その矢先、この“深海水族館”、“シーラカンス”の計画を知りました。
世界中のどこにもない水族館、誰もがワクワクする水族館…そんな思いが頭の中をぐるぐると駆け巡り、気が付くと「ここで働きながら勉強させて下さい!」と以前から知り合いだった石垣館長に直訴していました。
私ごとですが、この水族館のオープンと同じ年に長男が生まれ、人生の新たなスタートを切りました。
この水族館と同じ年の息子の手をひいて、水槽をのぞき込みながら「あの魚はね…」「シーラカンスはね…」と話しかけている自分の姿を今から想像しています。今、僕が感じているワクワク感を、日本中、いや世界中へ伝えていけるようがむしゃらに頑張っていきます!皆さん、深海水族館でお待ちしています!
日本には100を超える水族館があり、水族館大国と呼ばれるほどです。これは、日本人が水族館が大好きであることを裏付けると同時に、皆様がいわゆる「目の肥えた」方々であることの証明でもあります。今回、水族館に仲間入りさせてもらったわけですが、皆様はこの水族館をどう楽しんでいただけるのでしょうか?何が一番印象に残るのでしょうか?私たちの思いが皆様に伝わることを願っています。
・都内の水族館に25年間勤務
・横浜中華街の『よしもとおもしろ水族館』『あかちゃん水族館』の監修業務
・早期退職し、東京から石垣島へ居を移す
・埼玉県新三郷の『よしもと遊べる水族館』の監修業務
佐政水産は明治末期から沼津港で魚屋を営み、110年もの間、地域とともに歩んできました。「地元沼津のために、4代目としてできることは何か」考えたとき、ふつふつと胸にわいてきたのは、「昔のように活気のある沼津港にしたい」という想いでした。そこで社運をかけて挑んだのが、地元のための飲食店モール「港八十三番地」と、この水族館です。皆様が誇りに思えるような、誰にも真似のできない水族館をつくることで、沼津を盛り上げていきたいと考えています。
世界で最も深い湾といわれている駿河湾。そこには多様ないきものたちを見ることが出来ます。その豊かな海を持つ沼津港はまさに深海への入口となる港であると言えます。この沼津港深海水族館では生きものたちとのふれあいを通じ生命の大切さを体感する場として来館者をお迎えいたします。駿河湾に生息する水族展示と生きる化石シーラカンス標本を中心とした博物展示の空間演出は深海へと旅するような臨場感を楽しく動線上に創出し展開していきます。また環境演出や体験型展示を多く配置しながら興味や創造力を高めるための展示工夫をしていきます。新たな発見や感動を一つでも持ち帰っていただけるような展示空間にしたいと考えています。
1957年生まれ。埼玉県出身。東京藝術大学美術学部油画科卒業後、主に水族館動物園の生態展示造形の設計施工に関わる
この水族館のこだわりに応えるためには、1曲のBGMでは描ききれないと思いました。せっかくブースごとに“想い”があるのですから、音楽も自然と変わってくるでしょう。そこで、“深海”という1つの世界観を、ジャンルの違う6人の作曲家に異なる切り口から描いて頂きました。KABUTOさん、徳山美奈子さん、今野多久郎さん、林哲司さん、鈴木結女さん、池田綾子さん。もはやBGMではありません。水族館を五感で感じていただけたら嬉しいです。
沼津港の入り口に位置するアミューズメント“港八十三番地”。飲食店街は「活気あふれ気軽に立ち寄る街」、水族館は「深海の非日常を体現する空間」をコンセプトに施設全体の計画を進めてきました。色彩豊かな飲食店街に対し、水族館の外観からは色彩を取り除き、深海の神秘やシーラカンスへの期待感を抱くアプローチを目指しました。今回、地元でのこのプロジェクトに参加出来たことを誇りに思います。
個人住宅、共同住宅、医療施設、福祉施設、保育園、商業施設等を手掛ける
静岡県建設業協会賞(2回)、沼津市優良建築物表彰(住宅部門9回)
いまだ解き明かされていない深海。話を聞くたびに、引き込まれてしまう魅力。そのワクワク感をどうしたら伝えられるだろう。関係者のみなさんと何度も議論しながら、「深海が、いのちの謎を解く。」といったブランドスローガンやビジョン、コンセプトワーディングなどを制作しました。水族館の使命やめざす姿を言葉にすることで、前に進む力になれたら・・・。微力ながら、そんな願いをこめて携わらせていただいています。