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iPS細胞の技術で免疫の細胞が若返り
1月4日 4時15分

iPS細胞の技術で免疫の細胞が若返り
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体のさまざまな細胞を作ることができるiPS細胞の技術を応用し、体内の異物を敵と認識して攻撃する免疫の細胞を若返らせることに、東京大学と理化学研究所のグループがそれぞれ成功しました。
感染症やがんの治療に役立つ可能性があると期待されています。

東京大学医科学研究所の中内啓光教授らのグループは、エイズウイルスに感染した人の血液から、免疫を担う細胞の1つ、T細胞を取り出し、特定の遺伝子を加えてiPS細胞に変化させました。
そして、白血球の細胞などと一緒に10週間、培養した結果、新しいT細胞を作り出すことに世界で初めて成功したということです。この細胞は、エイズウイルスを異物として認識した一方で、増殖する力が元の細胞の10倍から100倍ほどに強まり、寿命も伸びていたということで、研究グループではT細胞の働きを維持したまま、若返らせることに成功した、としています。
一方、理化学研究所のグループも、同じようにiPS細胞を使って皮膚がんを攻撃するT細胞を若返らせることに成功したということで、こうした技術は、エイズなどの感染症やがんの治療に役立つ可能性があると期待されています。
中内教授は、「攻撃力の強い若いT細胞をいくらでも作ることができる。安全性を確認しながら、体内でも機能するかどうか確かめていきたい」と話しています。

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