宮城のニュース

再生願う心 箱いっぱい 仙台初売り

豪華景品入りの茶箱を求める買い物客が行列をつくった茶製品販売の井ケ田一番町本店=2日午前7時ごろ、仙台市青葉区一番町3丁目

福袋を買い求める客でにぎわう仙台三越=2日午前8時30分ごろ、仙台市青葉区一番町4丁目

 新春恒例の仙台初売りが2日、仙台市の中心商店街などで行われ、穏やかな正月を迎えたアーケード街は早朝から大勢の人出でにぎわった。

 仙台の最高気温は平年より2度高い8.2度。茶製品を販売する老舗店舗では開店と同時に、買い物客が豪華な景品の入った茶箱を次々と買い求めた。
 東北はことし、東日本大震災から3年目に入る。暮らしと経済の再生へ。商店主らは福袋に復興への願いを込めた。

◎復興に弾み、初売り盛況/昨年上回る人手

 伝統の仙台初売りが2日、仙台市中心部などであり、青葉区のアーケード街は昨年以上のにぎわいとなった。東日本大震災から3年目の始まりに、関係者は経済復興の本格化に向けて期待を膨らませた。

 豪華な景品で知られるお茶の井ケ田一番町本店では午前7時の開店前、約300人が列をつくった。一番乗りした青葉区の女性会社員(31)は「54歳の母と大みそかの午前2時から並んだ」。
 「例年より早くお客さまが来てくれた」と井ケ田健一社長(31)。2013年は「商店街から仙台、宮城を元気にしたい」と抱負を語った。
 時計・宝石販売、三原堂の三原廣太郎社長(49)も「復興需要などでお金が回っていることを、にぎわいから実感した」と手応えを感じていた。
 4月で開業80年となる仙台三越は昨年より600人多い約9800人が開店前に並んだ。福袋は婦人服などに加え、住宅や婚礼プランも好調。村上英之社長(56)は「地元の発展、復興につながるよう精いっぱい努力したい」と抱負を語った。
 JR仙台駅前では被災した名取市の閖上太鼓保存会が息の合ったばちさばきを披露。「ことしも地域を代表し、閖上の元気な姿を伝えたい」と赤間勲会長(69)。市内に帰省中の主婦丹治祥子さん(29)=埼玉県=は演奏に聞き入りながら、「復興への力を感じた」と話した。
 買い物客も本格的な復興に思いを寄せた。青葉区の大学職員伊藤智恵子さん(60)は「買い物で地域経済はプラスになるのでは」。宮城野区のパート門田典子さん(60)は「被災者が買い物を楽しめるようになって、初めて復興と言える」と話し、生活再建が進むことを願った。
 商店街を視察した仙台商工会議所の鎌田宏会頭は「人出の多さに新しい年への期待の大きさを感じた。仙台経済が東北全体を引っ張っていきたい」と話した。


2013年01月03日木曜日


Ads by Google

△先頭に戻る

新着情報
»一覧
特集
»一覧
  • 47NEWS