小児1型糖尿病と糖質制限食
こんにちは。

イッチーさんから
3歳児の1型糖尿病と糖質制限食について
コメント・質問をいただきました。


【13/01/07 イッチー
3歳からの糖質制限食について
初めてコメント(質問)させていただきます。
「3歳位からスーパー糖質制限食を継続して大丈夫でしょうか?」


私には3歳の娘がおり、半年程前に「Ⅰ型糖尿病」と診断されました。

病院の方からは「今までの食事にインスリンを合わせて」と言われたのですが、
あまりの難しさに糖質制限食を取り入れました。

今では3食糖質制限食です。

先生のブログや本には子供も糖質制限食は問題ない、と書かれていますが、
ある方から
「病院で、脳にぶどう糖は不可欠だから成長期のこどもに糖質制限は絶対しない事。。そして、糖質制限し違う病気をまねいた事例もあるそう。」
と言われました。

具体的にはどんな違う病気をまねいた、などと言うことはわかりませんが、
「3歳からスーパー糖質制限食をしていて本当に問題はないのだろうか・・・」
と不安をいだきまして質問をさせて頂きました。

どうぞよろしくお願いします。】



イッチーさん。
1型糖尿病の食事療法で苦労されているのでしょうね。

「3歳位からスーパー糖質制限食を継続して大丈夫でしょうか?」

問題ありません。
人類は、農耕前の700万年間は、穀物なしの糖質制限食です。
穀物(糖質たっぷり)を主食としたのは、最近の僅か1万年に過ぎません。
すなわち、人類は700万年間、狩猟・採集を生業とし、
糖質制限食を実践しながら、妊娠・出産・子育て・日常生活をおくってきたのです。
このように進化の歴史を考慮すれば、
我々人類の身体は、糖質制限食にこそ順応・適応しているのです。
穀物(糖質)を総摂取カロリーの60%という現代の食生活は、人類の身体にとって
とんでもないバランスということです。
糖質制限食は人類本来の食生活、人類の健康食ですので、
老若男女だれでもOKなのです。

歴史的にもう少し近くでは、
極北の民・イヌイットは、4000年間の伝統的ライフスタイルの間は、
生肉・生魚が主食であり、
糖質制限食を実践しながら、妊娠・出産・子育て・日常生活をおくってきました。


『病院の方からは「今までの食事にインスリンを合わせて」と言われた』

これは、極めて難しいことです。
少なくとも、カーボカウント(糖質管理食)をしない限り
血糖コントロールは不可能です。
物心ついてきて、他の子供と同じものを食べたいようなときは、
「糖質管理食」を併用すればインスリン単位とのマッチングがしやすいです。
糖質管理食なら、小児1型糖尿病の患者会などでも話が聞けると思います。


「病院で、脳にぶどう糖は不可欠だから成長期のこどもに糖質制限は絶対しない事。そして、糖質制限し違う病気をまねいた事例もあるそう。」

糖質制限食で食後高血糖が改善しますが、肝臓で糖新生するので、
そもそも低血糖にはなりません。
そして、脳はブドウ糖だけでなく、
ケトン体という脂肪酸の分解物をいくらでも利用します。
小児ケトン食(総摂取カロリーの80%が脂肪)という、
スーパー糖質制限食よりさらに厳しい糖質制限の食事療法があります。
難治性小児てんかんに有効で、1920年代から実施されてきました。

そのKetogenic Diet(ケトン食)が、
2010年版COCHRANE LIBRARLY(コクラン ライブラリー)と、
2011年版NICE(英国政府ガイドライン)の、難治性小児てんかん治療に採用されました。
コクラン ライブラリーと、NICEは国際的に極めて信頼度の高い治療ガイドラインです。このような信頼度の高いガイドラインに、約90年の歴史を経てとうとう、
ケトン食が認められたのですから、その価値は高いです。

「糖質制限し違う病気をまねいた事例もある」

糖質制限食の適応に従って実践しているかぎり、そのような報告はありません。
もし報告例があるとしたら、アトキンスダイエットのことでしょうか。
アトキンスダイエット40年間の歴史で、数十万の人が実践して、2例ケトアシドーシスの報告があります。
極めてまれな特殊例で、いずれも速やかに回復しています。

液体糖質摂取によるペットボトル症候群は、その千倍以上の頻度で発生して
死亡例も結構あります。
→詳しくは、2012年08月28日 (火)の本ブログ記事
「読売新聞記事への反論①ケトン体について」
をご参照ください。


なお、腎不全、活動性膵炎、肝硬変、長鎖脂肪酸代謝異常症の場合は
糖質制限食は適応となりません。



江部康二
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