──鉱物資源などの価格の下落で、他の商社は戦略変更を余儀なくされている。
直接的な影響は小さい。例えば鉄鉱石の権益は、他の商社と比べて資源分野への知見が少ないため、幸か不幸か保有していない。おかげで短期的な価格の変動には左右されずに済む。逆に、レアアースなど長期安定的に供給が必要なものに関しては権益を獲得して取り組んでいる。
欧州不況などにより、商社にはさまざまな案件が舞い込んでくる。だが、資源関連の投資に関しては、当社がやるべき案件かどうかの選別が重要で、いくら儲かりそうでも知見のないものには手を出さないと割り切って決断している。
例えば、技術の革新により大規模な開発が可能になっているシェールガスに各商社がこぞって投資しているが、当社は現状ではやらない。勝ち目のない分野へ投資をする必要はないと考えている。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 脇田まや)