バイク屋がバイクを楽しみ、素敵なバイクライフを求めて、メンテナンスやオリジナルパーツの開発等で蓄積された経験と勘を融合させて、バイクという工業製品や物流商品を価値ある道具に仕立てるための提案をしたいと思います。
バイク屋の感性と独りのツーリングライダーの目線で、感じたことや思うことを綴り伝えたいと思います。

NC700Xで出雲神話を訪ねる。その2

出雲へは毎年恒例で11月にツーリングしているが、時間の制約もあり次回へ持越しというパターンで色々と訪ね歩いている。今回の出雲神話は、神楽でも人気のスサノオノミコトとヤマタノオロチ神話の中から幾つもある伝承地を絞り込み再度訪ねることにした。


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レーダー付ナビor座標検索ナビ


最近は、ナビとレーダーが一体でモニターも見やすく、ハンドル周りがスッキリできるものを使っている。高速道では後方確認ができればさほど気にすることなく走れるが、一般道を使う割合が高いので、見知らぬ土地へ行くと、ついうっかり・・・御用!!となってしまう。レーダー探知機だけでは電光管方式には対応できないし、常時レーダー波が出ていない場合が多く、GPSからの情報があれば安心できる。カッ飛ぶつもりでなくてもついウッカリという危険性は沢山あるので、御用対策として活用している。


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併し、今回のように観光地化されていない伝承地を訪ねるツーリングなどでは、ピンポイントで座標検索できるガーミンGPSは旧モデルだが手放せない。どちらも一長一短で其々の用途に応じて選べばと思う。


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グリップヒーターとナックルガードで防寒対策


この季節は日暮れとともに気温がグッと下がり、オッサンライダーには少々厳しく、手が冷たくなってくると指が攣ったりすることがある。これは歳を取ればだれでも経験できるが、対策もできる。


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グリップヒーターとナックルガードを装備すれば暖かく快適に走れる。ハンドルカバーはナックルガード以上に防寒は優れているが、高速道等では風圧でブレーキが掛る事もあり危険な面もあるので、ナックルガード等を装備して、風圧でブレーキが掛らない対策が必要となる。


ウインターグローブも手のひらが厚いと操作性も悪くなるので、手のひらはウインターとしては薄目の仕様でグリップヒーターの熱も伝わりやすく、操作性の良いグローブを使っている。


純正アクセサリー


この季節は、日が落ちると気温がグッと下がり寒さが増してくる。小浜から木ノ本へ向かうR303で、ヒザと足のつま先が風を受けて一気に冷え込むのを感じたので、後日何か対策を・・と考えていたら純正のアクセサリーからレッグ ディフレクターとFootディフレクターが販売されていたのを思い出し、早速取り付けて夕方から北へ向けて150Kmほど走って来た。劇的な変化は無いが、冷たい風の当たり方が変わり、緩和されていることを確認できた。



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フロントフェンダー・エクステンション&インナーフェンダー


最近の車両は全体にフロントフェンダーが短く、雨等の場合エンジンの前周りやラジエターの汚れやハネ石による小キズも気になる。フロントフェンダーを延長できるエクステンションは、泥ハネ等の汚れを低く抑えることが出来るし、足元の汚れにも大きな違いがある。


スクランブラーやスラクストンの場合エンジン前部への凹みに小石や砂の入り込みが大幅に軽減できたし、CBR250Rも3月の九州ツーリングで雨天走行では、跳ね上がりが低く抑えられていた。NC700Xにも装着して雨天を走ったがやはり汚れる位置は低くEXパイプ附近の汚れ方に違いがある。


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リアインナーフェンダーはリアサスへ直接泥ハネが軽減されて雨天走行時でもリアサスは綺麗だった。

これからの季節は凍結防止で塩カルを撒くところが増えてくるので、サビ対策としても少しは有効であろうと思う。


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アフターパーツについて


NWJCの試乗車に装備しているパーツ類に関して、インターネット等で海外より手軽に購入できるようにもなってきたが、海外のパーツメーカーの製品に関しては、製品の信頼性やアフターにおいて信頼できるものを取り扱う事が、バイク屋としては重要なことだと思う。


以上、エンジンコンディションとサスセッティングは云うに及ばず、積載性・防風性にエンジンガードやナックルガード等は追加工等を施して装着している。その他パニアケース等は再検討し、ツーリングライダーの目線とメカニックの感性を融合したノウハウを活かしてオリジナルパーツも予定している。NC700Xは、速さより心地良さで走り続ける事を楽しめるNWJC独自のツアラー仕様に仕上げ始めたところである。


NC700Xとトライアンフ スクランブラー


同じ270度クランクを持ち鼓動感のある心地よい乗り味は其々に特徴がある。クラシックなスタイルを持つスクランブラーは、NWJCコンプリート車の場合、走りに於いては、最新のNC700Xと比較しても何ら遜色は無いが、スクランブラーの場合バイクとの一体感を上手く見つけ出す事がポイントとなる。


NC700Xの17インチホイールによる軽快なコーナーリングに対してスクランブラーの19インチホイールのコーナーリングは、浅いバンク角による優雅さがモダンクラシックらしい。


燃費に於いて、NC700Xの低燃費は驚くばかりで、14Lタンクで400Kmは走れた。亦、HONDA独自のコンバインドABSは、過剰反応するような神経質さもなく信頼性も高く安心感を持てた。


今回のツーリングは、NC700Xの事ばかりをレポートした感が強いが、スサノオノミコトとヤマタノオロチ伝承地を訪ね歩いたレポート等はツーリングメンバーのブログ「トライアンフ スクランブラーの備忘録」をご覧ください。


ヤマタノオロチの尾から出てきたアメノムラクモノ劔は倭姫から日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が草薙の劔として授かり、その後に熱田神宮へ祀られている。「日本武尊」神話は、岐阜界隈には伊吹山をはじめ内津峠など多くの伝承地があるので、3月頃までは雪のない太平洋岸を中心に、日本武尊に纏わる伝承地を訪ねるツーリングも楽しみたいと思っている。



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トライアンフ スクランブラーの備忘録『スクランブラーと共に神話を訪ねて』

NC700Xで出雲神話を訪ねる。その1

NC700Xは、北店にてツーリング等で継続的に使いNWJCコンプリートのツーリング仕様を仕上げる予定だったが、5月のGW以降何かと忙しくあまり進展が無く、11月恒例の山陰方面へのツーリングから『速さより心地好さで走り続ける楽しさ』を提唱するバイク屋として、ツーリングライダーの目線からNWJCコンプリートを仕上げて行く予定で、南店にて下準備を始めた。


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久々のNC700Xで、1,000Km以上のツーリングは初となる。11月恒例の山陰出雲ツ-リングは、単調な直線と曲線を描きながら距離と時間を稼ぐ高速道と、変化に富んだ国道・県道を走り繋ぐいつものパターンは、山陽道で瀬戸内を走り、山口県柳井から北上して石見経由で出雲神話を訪ねる事にした。コンディションの整ったトライアンフ スクランブラーのツアラー仕様2台と出かけた。


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HONDAの提唱するクロスオーバーコンセプト


NC700Xは、ハンドル周りはアップライトで見た目はデュアルパーパスだが、Fタイヤは17インチでONロードのツーリングモデルである。Fタイヤが17インチのトライアンフタイガー1050やドカティームルティーストラーダ等と同じカテゴリーを廉価で楽しめるのは嬉しい限りだ。

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前宣伝を早々と始めて、イメージモデルで購買意欲をそそったが、各アクセサリーがラインナップされるまで発売予定や仕様に関する情報も無く、時間もかかり、春先には発売されたパニアケースの納期も未定だった。発売と同時にNC700Xを購入されてGWのツーリングを楽しみにパニアケースもオーダーされたお客様からは、幾度となく苦情を頂き、歯切れの悪いメーカーの対応に辟易したのが4月末だった。楽しむ事の提案より、4輪感覚で売る事を優先する台数至上主義は、メーカー問わず相変わらずの二輪業界だ。


ノースウイングJCが提唱するツアラーとは?


日本の道を速さより心地好さで走り続ける楽しさを求めて、高速道から細い九十九折れの峠道や地方道など変化に富んだ道を走り繋ぐロングツーリングを軽快に心地よく味わえるよう、ライダーの目線でツーリングを楽しみながら、NC700Xのツアラー化を進めている。


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NWJC独自のライダーとメカニックの目線からのツアラー企画は、ストリートファイターとして、走りを売りにしているストリートトリプルRでもNWJC独自のコンプリートモデルはツアラーとして楽しむことが出来る。

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速さより心地良さ・・・の真意は?


『速さより心地良さで走り続ける楽しさ』と云えば、速く走れないのでは?・・・とかタラタラと走る事と思われがちだが、コンディションが整っている車両は速さも充分にあり、それ以上に心地良く走り続ける楽しさがある。荷物をタップリと積載しても影響無く、走り続ける楽しさがあれば、それはツアラー仕様と云える。


NC700Xのエンジンコンディションについて


排気量に関わらず、コンディションの整っていないエンジンでは、特性を考慮しても低回転域が使い難い。扱いやすい回転域に回転を上げると、当然スピードも上がり、常時その速度域を維持するためにシフトチェンジの回数も増えてストレスも大きく、エンジンコンディションの影響から足回りにも不満や疑問が残り、決して心地よい走りを楽しめるとは思えない。


いつも云うことだが、エンジンコンディションはライディングの楽しさに大きく影響している。NC700の場合1,000Km程度のナラシ終了後から3,000Km位までには一度エンジン内部をチェックすることが望ましい。

何台かチェックした車両のうち、8バルブ中いくつかが調整範囲の最大値という場合が多く見受けられる。


この場合、低回転域からのトルク感にも影響があり、早めのシフトUPでもトルク感のある心地よい鼓動感で速度を載せることの出来るNC700Xのエンジン特性とは異なる乗り味となり面白みが半減するから要注意だ。スクランブラーも同様でコンディションの悪いエンジンでは、車体の動きが鈍感になり重く感じられて走り続ける楽しさが無くなるから長距離は辛く、ストレスが溜まり、つまらないツーリングとなる。


コンディションを整えたNC700Xの乗り味は、高速道や一般道も含み60km/h前後から120km/h前後の常用速度域では鼓動感のあるコーナーリングも心地よい。少し遅めの流れに乗ってもストレスを感じることは無く、日本の道を速さより心地好さで走り続ける楽しさのある一台だと思う。


NC700Xのタイヤはピレリースコーピオンに変更


今回のツーリングから路面状況をあまり気にすることなく道を選ばず楽しむ為にON・Off兼用のパターンで、NC700Xに装着できるピレリースコーピオンが準備できたので変更している。国内未発売のテスト品だが、近々国内販売も開始されると思う。



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NC700Xのフロントサスについて


NC700Xのフロントスプリングはプログレッシブタイプが標準で、初期が柔らかくコーナー進入時の違和感の一因では・・と思えるし、メインとの差が大きすぎるのか?速度が上がると、突き上げるようなショックがある。プリロードアジャスターを装着してスプリングプリロードを変更してテストしてみるのも良いかも?


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WPサスペンションのプロトタイプをツーリングで・・・


私のようなヘボライダーは、ライテクで走りを楽しむ事は無理なので、Fサスに関してはWPサスのプロトタイプを装着して色々と試行錯誤を始めている。


WPサスのプログレッシブタイプはトライアンフやBMW・HONDA等のツーリングモデルに永年使って来たが、ツーリングでは「可も無く不可も無い万能な高性能?」が必要でプログレッシブタイプはお勧めである。


何故WPプログレッシブなのか?



NC700Xのパニアケースについて


サイドパニアケースは、トップケースと同じ荷物を積載しても低重心で安定感があり誰でも分かる程、扱いやすさに違いがある。振り分けのサイドバックと比べても防水性・施錠による安心感や着脱も容易にできる利便性もあり。ロングツーリングであればあるほど必需品となる。


HMJ推奨のヘプコは、上蓋が開くタイプで使い勝手は良いが、取り付け位置の問題なのか、車幅も広く95cmとなり、パニアケースの取り付け位置がリアシートの座面よりかなり高く、使い勝手が悪いので、車幅が84cmに収まりリアシートへの積載性も良いHM純正を使うことにした。



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HM純正品のパニアケースはワンキーで車体側と同じキーを使えるのは便利で嬉しいが、マフラーの逃げがある形状はVFR800からの流用品で、廉価なNC700なら納得も出来るが、CB1300STにも同じものが使われているのは何故だろう・・・?海外モデルや海外メーカーでは其々に専用タイプが用意されている場合が多いように思うが・・・。



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宿を利用したツーリングなら充分だと思うが、キャンプツーリング等の場合は、マフラーの逃げを持った形状は、とても使い勝手が悪く一工夫ほしいところだ。



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トライアンフ スクランブラーの備忘録『スクランブラーと共に神話を訪ねて』


トライアンフ タイガーエクスプローラーで北海道へ ~それぞれのスタイルで北海道を楽しむ その3

スクランブラーを楽しむ二人


スクランブラーは発売と同時に乗り始めて、今年で7年目になるが、エンジンコンディションに始まり足回りからポジションまで試行錯誤を繰り返しながら多くのノウハウを蓄積している。オリジナルパーツもライダーの目線とメカニックの感性を活かして専用パーツとしてコダワリをもって創り上げてきた。今回参加の二人は、スタンダードから進化し続けているスクランブラーの魅力と、ツアラーとしての実力を満喫してますますお気に入りとなったようだ。



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インジェクション仕様のK氏とキャブ仕様の村田さん二人を長閑な風景の中で、スクランブラーが最も心地好いと感じられる常用速度域+αのペースでリードすれば、鼓動感を楽しみながらいつまでも走り続けていたいと思う最良の時を味わっている二人の姿がミラー越し写っている。



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何と云っても時間的には北海道だけで3日間1,800~2,000Kmを走るツーリングで、ムラの無いペースで心地好い鼓動感を楽しみ、かなりのペースでワインディングも軽快に走り続けることが出来ることを体感できたようだ。上質な時間を楽しむ為にコダワリを形にしたNWJCオリジナルのスクランブラーだけが持つ魅力であることを実感して、来年もスクランブラーで走れることを楽しみにしているとのこと。



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以前CB1300に乗っていたK氏は、景色の良いところでの小休止では湯を沸かしながらコーヒーミルで豆を挽き、皆にコーヒーを入れてコーヒーブレイクを楽しんでいる。その姿は長距離ツーリングを心から楽しむ上質な時間とスクランブラーを楽しむライダーのゆとりとを感じさせる。


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CB400SBを駆るT君


8月中旬にトレッキングごっこを共に楽しんだ南店のスタッフ明君は、T君が無事に走れて皆のあしを引っ張らないようにと、NWJCの定休日に合わせて400~500Km程度の予行演習ツーリングに連れて行ったりして何かと気にかけていたようだ。T君自身もストリートトリプルRに乗る明君に連れられて雨天でも積極的に出かけて、色々なアドバイスを受けるなどツーリングの準備をしていたようだ。


年齢問わず初心者の場合、ハイスピードで深いバンク角のコーナーリングやハイパワーによる強烈な加速に憧れる人や、ハイメカやスペックを頼りにバイク任せの「勘違いライディング」を楽しもうとしている人が多いと思える。


T君の希望機種はCBR600だったが堅実なステップアップでバイクを楽しむ為にCB400SBを選んだようだ。NWJC独自のメンテナンスやセッティングを施したCB400SBは力もあり乗りやすくなったというが・・・・。


T君は少しペースが上がってくると徐々に遅れ始めるが、直線では大きくアクセルを開けて付いてくる。峠越えのタイトコーナーでは時々オーバーランをしかけてペースが落ちるが、気を取り直して追いかけてくる。K氏と村田さんのスクランブラーが、そんなT君を間に挟んで交互に前に出てペースメーカーとしてCB400SBのT君をリードしている。


トレッキングごっこを経験してからのT君は、ハンドルの持ち方、アクセルの開け方に目線など根本的な所で丁寧な操作ができ始めて、体の操り方を意識して成果が顕れ始めている。


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『トレッキングごっこ』効果の威力を実感している彼も2日目に入り、スムーズでシャープなコーナーリングは、人車一体の頭の体操であり、ライダーが体を操ってバイクを操ることがライディングの楽しさや面白さであることに気づき始めて、ペースダウンすると少し余裕が感じられる程に走りが安定してきた。


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休憩の時は、目線やシフトダウンのタイミングなど色々アドバイスを二人から受けて、交互に先行するスクランブラーの二人を見てはラインなどをイメージしながら、徐々に走りのフォームも様になってペースも安定してくる。


長距離ツーリングの場合、初心者にとってベテランの後ろについて引っ張ってもらうことは、何度も同じことを繰り返しながらの反復練習が出来るので、上達への近道でもあると思うが人間関係も大切なことだと思う。



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イベント的ツーリングとは根本的に違うことや、後ろについて同じように距離を伸ばすだけでは無意味であることを実感しつつ、バイクを楽しむ為に大切なことを数多く学んだようで、何故参加拒否されたか理解できたようだ。


T君は小学生から高校までサッカー少年だったので、見た目は今風の若者だが、体育会系のノリで礼儀正しくバイクを楽しむ姿勢は、装備もしっかり整えてスポーツとして理解し始めているようだ。


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K氏も『トレッキングごっこ』を体験してから、いつものメンバーと共に長距離ツーリングを何度も経験して、走りの面白さや楽しさと、メンテナンス後の車両の変化による操作感の違いなどを実感出来るようになったと言う。


CB1100を駆るリターンライダー


山梨在住の友人で、20年数年ぶりにリターンライダーとして昨年よりCB1100に乗り始めた哲也は、新潟港手前の北陸道PAで合流して共に北海道へ向かった。小樽から名寄までは同じルートを走り、名寄からは別行動で一週間ほどのんびりと北海道を楽しむとのことで、うらやましい限りだ。


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宗谷岬にて


北方領土をはじめ尖閣・竹島と領土問題が大きく取り上げられているが、知床ではロシアに実効支配された国後を目の当たりにする。日本国にとって領土問題がより良い形で解決されることを、日本最北端の宗谷岬神社に参拝して祈念。


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トライアンフ タイガーエクスプローラーで北海道へ ~それぞれのスタイルで北海道を楽しむ その2

昨年とほぼ同じルートでエクスプローラーをチェック!!


今回も昨年同様に三桁国道と道道で交通量も少なく、走り続ける事ができるルートでタイガーエクスプローラーをタンデムで走らせて各部をチェックしながら楽しんできた。


☆エンジンコンディション


エンジンコンディションを整えて各部を見直したエクスプローラーであれば2000rpm付近から太いトルクをフラットに発生させるエンジン特性を体感できるが、工場出荷状態のエクスプローラーでは、3500から4500rpm付近よりトルクが湧き上がってくるような感じとなり随分と違ったエンジン特性に感じられる。


メーカー出荷状態でコンディションを整えるまでは、タンデムしての登り坂で40km以下の速度を6速で維持することは、息つき失速状態でギクシャクと不安定になり半クラッチかシフトダウンを求められる状態だった。


知床半島の羅臼から知床峠へ向かう登り坂では6速でエンジン回転は1200から1400rpm付近で速度は40Km以下となる状態で、ゆるいコーナーへ侵入したが無理なく安定していて、アクセルを開けると滑らかに回転が上がり始めて、2000rpmあたりから力強いトルク感が出始めてギクシャク感も無くスルスルと滑らかに加速して行く。これがエクスプローラーの実力でありトリプルエンジンの特性と魅力の一つだと思う。



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タイガー800の場合でもエンジンコンディションが整っていないと、エクスプローラーに比べて排気量が小さい分だけ高回転型のエンジン特性に感じられるが、エンジンコンディションを整えたタイガー800とエクスプローラーは共によく似たエンジン特性で、極低速からでも力強く安定感がありツーリングを楽しませてくれる。


☆ポジション


大柄な車体のわりに足つきも良く、ハンドルポジションはライザーで20mmほどUPしただけで、ハンドル・シート・ステップ位置のバランスは、タイガー800よりコンパクトに感じるほどシックリとくる。単調な直線道路やワインディングでも軽快で、パッセンジャーもバックレストのおかげで快適なタンデムツーリングを楽しめた。


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☆シャフト駆動のファイナルレシオ


シャフト駆動の場合、調整や給油などのメンテナンスが不要な利点もあるが、ファイナルレシオをチェーン駆動のようにスプロケット1枚で手軽に変更できる容易さは無いので、ファイナルレシオが最適であることが、日本の道を心地よく楽しむうえで重要な事だと思う。


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エクスプローラーの場合エンジンコンディションを整えれば、全域で扱いやすいエンジン特性を発揮してファイナルレシオは、高速道から一般道に至るまで日本の道でも最適であると実感した。


☆ミッションレシオ


PL500とEPLオイルの効果が出始めてシフトタッチは全く別物となり、ミッションはどのギアーでも楽しめる設定で、エンジンを回して楽しむのか、トリプルエンジンの特性を活かしてトルクで走るのか、楽しみ方はお好み次第で自由自在だ。


☆軽快にコーナーリングを楽しめる足回り


路面の荒れたワインディングではサスがしなやかに作動して、トリプルエンジンとのコンビネーションは、タンデムでも軽快なコーナーリングを楽しませてくれたが、初期メンテナンスの効果が大きく影響している。


☆防風効果の高いスクリーン


雨の中でもヘルメットのシールドを上げて走る事が出来るほど、スクリーンの防風効果の高さを実感できたが、タイガー955iが発売されて間もないころ、北海道を走った時もOPのハイ・スクリーンで同じことを感じたことを思い出した。


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☆フォグランプのイエローバルブは効果絶大


雨が降ってきた上に予定のルートが通行止めの為遅れが出始め、深い霧の中を走る事となったが、イエローバルブに変更したフォグランプが威力を発揮して視界の悪さによる疲れを軽減できて、夜間走行も楽しめた。



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☆フレーム剛性の高さを実感


社外品のパニアケースは70Lの容量に工具からコッヘルセットに、その他荷物を満載して、テールバックには二人分のレインウエアーや気候に合わせての装備を積み込んで、タンデムでの使用だったが、後方の重さやシートレールのよれを感じることも無く、狭い九十九折れの峠道や高速コーナーでもかなりのハイペースで走り周ったが、ソロに近い感覚で楽しめた。


☆クルーズコントロール


HondaのGoldWingには古くから装備されていて、個人的には好みではなく使った記憶も無いくらいだが、新潟までの北陸道で使った感想は、操作が簡単で単調な高速道路では威力があると思うが・・・。


☆燃費


320km走って16L・300kmで15Lという給油状態だったので20km/L前後というところだが、燃費はすこしずつ良くなっているように思える。10,000kmくらい走ればエンジンのアタリも出て安定した燃費になると思う。



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☆総評


大柄な車体を持つエクスプローラーをタンデムで走らせて、エンジンコンディションは総てに影響を与えるため何よりも最優先事項であり、実体験も無いままに「こんなもの」では心地よく楽しめないことを今回も確認できた。


メーカー出荷状態の工業製品からノースウイングJC独自のメンテナンスをエンジンから各部に至るまで施したタイガーエクスプローラーは、エンジン・フレーム・足回りなど、トータルバランスも高く満足の出来る仕上がりである。


特にエンジンフィーリングと足回りのしなやかさに加えて、試作したバックレストのおかげでタンデムでもストレスを感じることも無く軽快に楽しめた。日本の道を心地よく楽しめる大型デュアルパーパスであり、個人的には好みのツアラーに仕上がり始めたと思う。



トライアンフ タイガーエクスプローラーで北海道へ ~それぞれのスタイルで北海道を楽しむ その1

昨年は最新のCBR250RにNWJC独自のメンテナンスとセッティングを施して、潜在能力を確かめながら北海道ツーリングを楽しむ事が出来た。今回も道内は2泊3日の予定で昨年同様に一般道を朝から夕方まで走りまわり、タイガーエクスプローラーを楽しむ予定していた。


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ソロの予定だったが・・・・・


昨年同様にソロで走る予定でいたが、スクランブラーを共に楽しんでいるK氏とBMW R1100GSなどで何度も北海道を一緒に走っている村田さんの二人から、今年は参加するという事で其々のスタイルで楽しむ為の打ち合わせをしているところへ、CB400SBに乗る19歳のT君が来店し、一緒に行きたいという・・・。


長距離ツーリングの場合でも基本はソロと同様で、目的地を目指して其々のペースやスタイルで楽しむことが大切だと思うが、初参加の初心者と走る事は予定の行程を消化できないので、「会社の同僚との親睦をはかるイベント的なツーリングや、温泉に入り美味しいものを求めての娯楽的なツーリングとは異なり、亦、日帰りとは違い長丁場だから飛び入りでは無理だから・・・」と断ったが、どうしても行きたいと言う。


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よくよく話を聞いてみると、今年の初めから北店で北海道へ行く話があり、会社へも早くから休暇届をだして楽しみにしていたが、皆の予定が合わず中止になったという。真相は闇の中の様だ。


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スクランブラーに乗るK氏と村田さんの二人から「トレッキングごっこ」にも参加して装備もシッカリとしているし、無理があるようならルートを短縮してもいいから連れて行ってやりたいと云う。


自分たちも長距離ツーリングでバイクの面白さ、楽しさの多くを知ることができたから今度は自分たちが面倒見ながら・・ということらしい。彼らには自分たちも体験したトレッキング効果をT君にも期待していたところがあったようだ。


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亦、昨年より20数年振りにリターンライダーとしてCB1100を楽しんでいる山梨在住の旧友も一緒に北海道へ行く予定をしているという。


タイガーエクスプローラーをタンデムで


昨年とはかなり状況が変わり、タイガーエクスプローラーをタンデムで走らせる事にした。

タンデムはBMW R100RT で楽しんでいるが、タンデムでの北海道はBMW K1200LT以来久しぶりで、最新のエクスプローラーは積載能力も高く、タンデムでのエクスプローラーを楽しむことにした。



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タイガーエクスプローラーは日本の道を心地よく楽しめるか?


出発は昨年同様にAM1:00ころからの出発を予定していた。皆は予定時刻に出発したが、ヘッドライトのLoが通常のHiビームより高い。サスはタンデムでの使用を前提にプリロードを掛けて、ヘッドライトアジャスターレバーをタンデムに切り替えてみるが、ハイビームより高くやむなく調整をすることとなり少々遅れての出発となった。


メーカー出荷状態では硬めだったリンク類にグリスUPをすることにより、足回りはとてもしなやかストロークし始めたことも影響している。足回りの設定は、再度見直すため暫らくこの状態で走ることにして、各務原ICより東海北陸道を走り始めた。昨年はとても寒く東海北陸道では最低外気温度が4℃だったことを思い出す。



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バイク屋として一人のツーリングライダーの目線で、メーカー出荷状態のコンディションと、NWJC独自のメンテナンスによりコンディションを整えた車両を比較して、日本の道を心地よく楽しめるか否かは実走行による実体験からネガティブなイメージがあれば、どこが・・?何故だろう・・?どうすれば・・?と探究することは、成果主義の物販業とは異なりバイク屋として貴重なノウハウの蓄積の場であり、有効な情報提供ができる基幹と考えている。


Newモデル等の場合、メーカー出荷の工業製品のレビューと、ノースウイングJC独自のノウハウでコンディションを整えた車両では、それらのレビューと大きな隔たりがある事をいつも実感している。


今回は、トライアンフ タイガーエクスプローラーにノースウイングJC独自のメンテナンスを施して、日本の道を心地よく楽しめるか否かを確かめてみたいと思う。


タンデムでの使い勝手とパッセンジャーの快適性


タンデムの場合パッセンジャーが後ろから景色を眺め写真を撮ったり、GPSや地図を見たり、飲み物を飲んだりと、ある程度余裕を持てるほうが楽しめるので、バックレスト付きリアーキャリアを企画した。


バックレスト付リアーキャリアを試作


過去からの経験により、積荷のサイズや量に応じて自由度が高く使い勝手も良く、汎用性の高いリアーキャリアにバックレストを追加した形は、タンデムを前提で楽しんでいるBMW R100RTのNWJC特製リアーキャリアをベースに試作することにした。



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テールバックについて


トライアンフ純正のテールバックは素材のためかレインカバーが必要な仕様となっているが、カバーの場合条件によってはめくれあがって脱落する場合もあるのでバックル部分にループ等を装備してカバーの脱落防止を考えてもらいたいと思うが・・・。亦、接続部分のバックルが下に付きすぎているためにバックの底より先に床に直接当たる構造はバックルの耐久性に不安を感じるし、ドライバックのように汎用性がほしいところだ。


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同じような構造を持つBMWのテールバックはレインカバーを必要とせず、かなりの雨でも水の侵入はなく、汎用性も高く、今年の3月に九州へCBR250で出かけたときはNWJCオリジナルのツーリングキャリアにも容易に装着できて使い勝手もよく、取り付けベルトも汎用性を反映してか何セットも同梱されていて安心だ。


乗りこなす事より、心地好く使いこなすためのポイント


タイガー800のほうが軽量で使い勝手が良く道を選ぶことなく自由度があると思うが、コンディションが整っていないタイガー800とコンディションが整ったエクスプローラーを比べた場合、車体も大きく車重のあるエクスプローラーの方がはるかに扱いやすく軽く感じられる。


車体が大きく車両重量も重いエクスプローラーの場合でも、エンジンのコンディションをはじめメンテナンスやセッティングにより体感重量は、軽くも重くも感じられて操作感に大きな違いが生まれることは、乗りこなすことより使いこなすために重要なことであると考えている。



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大きな車体のエクスプローラーのハンドルポジションは、身長172cmでも低く遠いと感じるのでライザー等で20mmほど上げればタイガー800よりコンパクトに感じられるほど安定したハンドルポジションを得ることが出来る。



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個人差もあるので一概には云いきれないところでもあるが、トライアンフの場合ハンドルは総体的に幅広く低い感じを受ける。特にスクランブラーのノーマル・ハンドルポジションは、チョイのり程度やファッションなら良しとしても、心地よく楽しめるエンジン特性を持っていても、とても長距離ツーリングを楽しめるとは思えない。




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