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世界水フォーラムとは

〜「20世紀は領土紛争の時代だったが、21世紀は水紛争の時代になる」〜
 
世界水フォーラム(WWF)は、世界水会議(WWC、脚注参照)の提唱により、21世紀の国際社会における水問題の解決に向けた議論を深め、その重要性を広くアピールすることを目的として3年に1度、国連水の日(3月22日)を含む期間に開催される。

このフォーラムは、専門家、政治家、民間やNGOを含めた、水に関心のあるあらゆる人が集まって世界の水問題を議論しようというもので、
第一回会議が1997年3月モロッコ・マラケシュ(63か国から約500人が出席)、続いて
第二回会議が2000年3月オランダ・ハーグ(156か国から5700人が出席)で開かれ、
第三回会議が1年後の2003年3月16日から23日にかけて、京都を中心に滋賀・大阪を結ぶ琵琶湖・淀川流域で開催される。

第一回世界水フォーラム、マラケシュ会議では「WWCは何をすべきか」を議論し、水問題の重要性、危機を世界に訴えるビジョン「来るべき21世紀における世界の水と生命と環境に関するビジョン」を第二回世界水フォーラムまでに作成する、ということが決定され、「21世紀のための世界水委員会」(WCW)が設立された。  

世界水委員会によって、世界の水関係機関の産・官・学にまたがる協力のもと、ビジョン策定作業が行われ、世界の水問題の方向性を示した「世界水ビジョン(World Water Vision)」が第2回世界水フォーラムで発表された。
また、同時に開催された閣僚級会合では、21世紀における"水のセキュリティ"に関するハーグ閣僚宣言を採択、また世界水パートナーシップ(GWP)からは、「行動の枠組み」も発表された。

しかし、一方で、第二回WWFに参加したNGOグループの一部からは、WWFでのトップダウン型発想に基づく、水の市場化・商品化、民営化、大規模水資源「開発」、バイオテクノロジー等推進への疑念や、意志決定プロセスの不透明性が指摘された。

第三回世界水フォーラムの理念には、「ビジョンからアクションへ」が掲げられており、「世界水ビジョン」を具体的な行動に結びつけるための「世界水行動報告書」等が発表される予定。
また「すべての人にオープン」等も基本方針として掲げられており、世界水フォーラムとしての分科会が行われ、分科会報告書「我々のコミットメント」も作成される。
さらに、閣僚級会合に基づく閣僚宣言が行われることが予定されている。それに向けて現在、様々な取り組みが進んでいる。